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京都の野外彫刻 フィールドワーク47

『田辺朔郎博士像』

1982年  江里 敏明

設置場所 :  蹴上公園
 観光スポットの蹴上インクラインを東に上り切った右手に蹴上公園がある。その公園の市内を望む場所にこの像は設置されている。
 田辺朔郎(1861年-1944年)は日本の近代土木工学の基礎築いた人物。21歳で琵琶湖疎水工事の担当者となり,琵琶湖疎水を完成させ,蹴上発電所を創設するなど京都の近代産業に貢献した。蹴上インクラインや琵琶湖疎水記念館は市内の小学生が郷土の歴史学習でよく訪れる場所で,琵琶湖疎水の設計者の田辺朔郎博士は京都の小学生がよく知る歴史上の人物。
 右足を少し前に出し,右手にはしっかりと図面を持つコート姿は若々しく堂々としている。眼下に広がる京都の街を見る顔は気負いのない聡明な若き青年の顔をしている。