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京都の野外彫刻 フィールドワーク39

『慈 いつくしみ』

2008年  木代 喜司

木代 喜司 (1940年生まれ) 京都府出身の彫刻家 現日展審査員 京都教育大学名誉教授

設置場所 : 御香宮神社(伏見区御香宮門前町) 

 御香宮神社は創建の由来は不明だが,貞観4年(862年)社殿修造の記録が残っているらしい。天皇家とゆかりが深く,神功皇后他を主祭神としている。神功皇后の神話伝承から安産の神として信仰をあつめている。じつはそれらの由来をしらなかったのだが,筆者の居住地からは近くにあることから毎年初詣に行き,安産祈願や子どもの七五三にも参拝している。
 拝殿の右に設置された母子像は丸みを帯び,全体のフォルムがやさしい。少し傾けた母の顔や幼子を覗くように母の肩に乗った小鳥,小さく結んだ子どもの手が愛らしい。
 神社になぜ母子像なのだろうと疑問に思ったが,安産の神として信仰されていることからなのだろう。
 神功皇后は仲哀天皇死去から摂政 として約70年間君臨し,聖母(しようも)と言われている一方で,身重のまま男装し熊襲征伐に出兵したとつたえられている。浮世絵などにはとても強い女性して描かれている。

『名高百勇伝』「神功皇后」 歌川国芳 作 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より