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京都の野外彫刻 フィールドワーク57

『花の女神(フローラ)』

1964年?       山本 恪二

山本 恪二 1915-2000年 京都市立芸術大学名誉教授

設置場所 :  タキイ種苗株式会社本社(下京区梅小路通猪熊東入)
 タキイ種苗は1835年創業の種苗業の会社。『花の女神(フローラ)』はローマ神話に登場する花と春の女神で豊穣を司るとされている。1964年にタキイ種苗が本社社屋を建設したときにこの作品が建屋壁面上方に設置されたと思われるが詳細は不明。その後本社社屋がリニューアルされ,像も補修されたようだ。本社エントランスからは見上げる位置だが,社屋南側を通る嵯峨野線や東海道線などの車窓からはよく見える場所にある。
 現在の像は造り直したのではなく,像の表面を白く塗装し修復したように思う。ブロンズ像ではなく,この時期山本恪二が制作していたセメント作品の一つではないかと思う。風になびく衣装の形状やそれらによってできる陰影が美しい。