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京都の野外彫刻 フィールドワーク43

『ねがい』

1985年   木代 喜司

木代 喜司 (1940年生まれ) 京都府出身の彫刻家 現日展審査員 京都教育大学名誉教授

設置場所 : 京都テルサ(南区東九条下殿田町70)

 京都テルサは京都勤労者総合福祉センターで京都府男女共同参画センター,京都府スポーツセンターが一体化した施設で他各種団体が入っている。会議室やスポーツ施設があり,文化交流や健康づくりの施設として広く府民に利用されている。
 この作品の台座の裏に「国際婦人年の十年の最終年を記念して」という文字がある。国連の国際婦人年世界会議が1976年から1985年までを国連婦人の10年と宣言。その目標を平等・発展・平和と定めた。(男女共同参画局HPより)
 施設の駐車場の隅に少し樹々が茂るところがあり,そこにひっそりとこの像が建っている。幼さののこる顔,シンメトリーの半身像,やわらかな丸みを帯びたタッチ。女性の頭や足元に止まる鳥などが穏やかな印象を与える。少し指を広げて前に突き出した両腕で,何を渡そうとしているのだろう。「平等・発展・平和」のねがいがそこにあるように思った。