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京都の野外彫刻 フィールドワーク67

『追想』

1964年  阿部 正基

阿部正基(1912年~1978年)  仙台市出身 日展会員 日展審査委員

設置場所 :  府立植物園内(正面から花壇に行く途中の右側ヒマラヤスギ付近)
 この裸婦像は植物園に野外彫刻が設置されはじめた初期のものだろう。府立の植物園で野外彫刻展が開催されたのは1960年からでその後も毎年開催されている。また,そのころから園内に作品が設置されはじめている。
 右脚を少し曲げ左脚に重心を置いて体全体を緩やかにカーブさせている。体の後ろに向けた両腕,わずかに引いた肩や右にすこし視線を向けた顔,胸の張りと引き締まったウエスト等が自然なポーズながら美しい。また,周りの植物が足元に絡みついていたり,草むらの中から突然あらわれた裸婦という風に見えるのも面白い。