京都の野外彫刻 フィールドワーク 27
『SEED』
1998年 伊藤 憲太郎
設置場所 : 山科駅前中央交通広場
山科駅前地域の再開発事業に伴い,山科駅前周辺にモニュメント・彫刻を設置。この作品『SEED』をモニュメントとして他に6基の作品が1998年にされている。京都市内にはいくつかの野外彫刻が設置されているが,このように行政が中心となり公共の場に複数の野外彫刻がまちづくりの一環として設置されている地域はあまりない。設置においては,まちづくりのコンセプトやテーマ(「新生の碑」)に沿った作品の制作依頼が制作者になされた。
山科駅前のバスのロータリーの中に設置されたこの作品は,高さが10mあり,空に尖って伸びていくイメージだ。鏡のような曲面には周囲の風景が映り込む。また,太陽の光を反射し,表情が刻々変わっていく。
彫刻がそこに設置されたことにより,その土地・空間が異なったものに変容する。野外彫刻の持つ一つの効果であろう。