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職業、事業作家。(毎週月曜日更新予定)

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スタートアップスタジオquantum(クオンタム)のクリエイティブ担当役員であり、事業作家である川下和彦が、日々新規事業開発に取り組むなかで考えていることをまとめたマガジンです。
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#未来

「犬かき力」を鍛える

スタートアップスタジオquantumのクリエイティブ担当役員、川下です。 新規事業開発を成功へと導くために「未来の物語」を書く事業作家として働く中で考えていることを、このnoteに書き留めています。 前回は、「マネー回路」の重要性について書きました。 事業開発において「PoC(Proof of Concept:概念検証)」は大切ですが、仮説検証段階で満点が取れないからと言って、いい評価が得られるまでPoCを繰り返して机上の空論をきれいに磨き上げても、いっこうに実際のビジネ

マネー回路の通電体験を得る

スタートアップスタジオquantumのクリエイティブ担当役員、川下です。 新規事業開発を成功へと導くために「未来の物語」を書く事業作家として働く中で考えていることを、このnoteに書き留めています。 前回は、「ディレクション」が本来持っている意味と、プロジェクト全体におけるその重要性について、わたしの考えを書きました。 今回は、新規事業プロジェクトを一歩前に進めるに当たって、わたしがぜひお勧めしたいアクションについて紹介します。 新しい事業のアイデアが生まれると、誰でも

「ディレクション」の意味

スタートアップスタジオquantumのクリエイティブ担当役員、川下です。 新規事業開発を成功へと導くために「未来の物語」を書く事業作家として働く中で考えていることを、このnoteに書き留めています。 前回まで、ビジネスを当てるにはデータとロジックだけではなく、野性の勘とセンスが必要であること、また、それらを養うためには、未来をいつも「絵」でイメージするクセをつけ、未来が現実になったとき、イメージの精度がどのくらい高かったか、答え合わせをして、精度を高めていくことが大切だと書

「絵」で考えるクセをつける

スタートアップスタジオquantumのクリエイティブ担当役員、川下です。 新規事業開発を成功へと導くために「未来の物語」を書く事業作家として働く中で考えていることを、このnoteに書き留めています。 前回は、プロジェクトの意思決定をする際、遠慮と忖度に流されて後悔するような決断をしないためにも、日頃から重要な意思決定を成功させる鍵となる勘とセンスを培っておくことが大切だと書きました。 今回は、その勘とセンスを磨くために、わたしが普段から実践している方法を紹介したいと思いま

ビジネスを当てるのは勘とセンス

スタートアップスタジオquantumのクリエイティブ担当役員、川下です。 新規事業開発を成功へと導くために「未来の物語」を書く事業作家として働く中で考えていることを、このnoteに書き留めています。 前回、プロダクトオーナーはプロジェクトの遂行中に幾度となく意思決定を迫られるが、そこで遠慮や忖度をすると、結果的に新規事業を殺してしまうことになると書きました。 今回は、周りに流されることなく後悔のない意思決定をするための方法について紹介したいと思います。 パートナーや上司

映画スタジオ由来の、事業スタジオ。

スタートアップスタジオquantumのクリエイティブ担当役員、川下です。 新規事業開発を成功へと導くために「未来の物語」を書く事業作家として働く中で考えていることを、このnoteに書き留めています。 前回は、プロジェクトのオーナーが決まった後、どのようにチームメンバーを集めるかについて書きました。 今回は、その中で触れた、多様な経歴や職能を持つメンバーが所属する組織について紹介したいと思います。 わたしが所属しているquantumの業態は、「スタートアップスタジオ」と呼

オーナーはゴールド、フォロワーはプラチナ。

スタートアップスタジオquantumのクリエイティブ担当役員、川下です。 新規事業開発を成功へと導くために「未来の物語」を書く事業作家として働く中で考えていることを、このnoteに書き留めています。 前回までは、「誰がプロジェクトのオーナーになるべきか」「オーナーにはどのような資質が求められるか」「組織内にそのような人材が見つからないとき、どこを探せばよいのか」など、プロジェクトオーナーの決め方を紹介してきました。 さあ、オーナーが見つかったとします。それは、『西遊記』に

マシン脳とアニマル脳。

スタートアップスタジオquantumのクリエイティブ担当役員、川下です。 「事業作家」として、未来の物語を書く中で得た気付きをnoteにまとめています。 前回は、製品やサービスをつくってからPRの方法を考えるのではなく、開発の川上工程から「ニュース性=人に伝えたくなること」をプリインストールすることの重要性について書きました。 今回も引き続き、事業のアイデアを生み出す方法について紹介したいと思います。 先日ある起業家の方と、世の中が便利になることで人類にどのような影響が

ニュース性をプリインストールする。

スタートアップスタジオquantumのクリエイティブ担当役員、川下です。 「事業作家」として、未来の物語を書く中で得た気付きをnoteにまとめています。 前回は、「vision prototyping」というquantumからリリースした新たな新規事業開発手法に関する号外的な記事を書きましたが、ここからは再び、連載本編の記事に戻っていこうと思います。 今回は、quantumが新規事業開発において特に大切にしている”視点”について書いていきたいと思います。 quantum