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ありがとうの気持ちをこめた一杯

家や会社から比較的近いこともあって清澄白河のブルーボトルコーヒーに通うようなった。エスプレッソベースのカプチーノやジブラルタルを飲んでかなり衝撃を受けてしまった。今まで飲んできたコーヒーは何だったのだろうかとおもってしまった。カプチーノやジブラルタルだけれども、空気に触れるにつれ、そして冷めるにつれ、急激に味が落ちてしまうということを初めて知った。エスプレッソは生ものなのである。この生ものたるエスプレッソだけれどブルーボトルコーヒーはカウンターテーブルしかなくて相席になる場面が多く気を遣うし、国内外の観光客も多く落ち着かなかったりする。なんとか家庭でも味わえないかと思い、DeLonghiのエスプレッソマシンを購入することになった次第。購入したのはエントリーモデルだけれど、いかにもヨーロッパ合理主義らしくシンプルだけど絵になるというデザインであって、車で言うとフランスやイタリアの商用車の様ですこぶる好感が持てる。もちろん機能的にはこれで必要充分なのである。

エスプレッソの抽出であるがなにしろビギナーであるゆえ、フィルターに粉が最初からセットされているカフェポッドというものを使うことにした。これだとマシンにセットするだけでよく、とてもフールプルーフであって、忙しい日常にはすこぶる都合がよい。カフェポッドも当初DeLonghi推奨のMusettiを使っていたのだけれど他のメイクも試してみたくて、入れ物がおしゃれなillyのポッドを購入したが、これがDeLonghiのマシンとすこぶる相性が悪く、クレマはできずコクはなく残念ながらいまいちだった。懲りずに他のメイクも試し中である。

エスプレッソマシンを購入してまだ3週間の身であるのであまり偉そうなことは言えないのだけれど、エスプレッソを淹れることは音楽やロードバイクと同じ趣味の世界であって、おとなのたしなみみたいなものかとおもう。すなわち茶道などと同じでエスプレッソマシンの扱いにもお作法があり、気を抜けば即座に味に反映してしまう。集中力がいる作業なのだ。

エスプレッソマシンを扱っている時間だけど、煩わしいドメスティックでコンサバティブな仕事上の人間関係も忘れ、日本にいながら北イタリアのカフェにいるようですこぶる気分がよろしい。ある種のコスプレのような気がしたりもする。

エスプレッソだけれど我が家ではドライなものが苦手な家人に合わせてカプチーノを作ることが多い。他にはアイスクリームに合わせてアフォガート作ってみたがおとなの贅沢なデザートという感じで旨かった。他にはイタリア人の真似をしてエスプレッソに砂糖をやや多めに入れてみたのだけれどこれがやばい。エスプレッソの底に残った砂糖を食べたけれど禁断の味という感じでマジやばい。ベルギーの上質なチョコレートというか、超贅沢なデザートという感じ。

エスプレッソを淹れることだけれどこれは自分のためだけではなくそれは無類のコーヒー好きの家人のためでもある。元々コーヒーを飲む習慣がなかったのだが結婚してからコーヒー好きになったのも家人のおかげでもある。毎日仕事に家事に頑張ってもらっている家人にとっておきのカプチーノを淹れてあげること、新しい大切な仕事だったりします。




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