夕景、紛う、白昼夢

【歌詞】

八月、水面に残響
炎天、攫っていった夕立は来なかった
放課後、心臓に夕景
真夏の体温、象るように
あなたを探している

「花火とか、いいかもね」
帰り道 サイレン 振り向いた瞳に
見抜かれないように そっと吸い込んだ息さえも
透明に変えてしまうくらい

夕凪いだ空 星降の断章へ
連れてって ねえ 連れてって ねえ
秒針のない夕景 笑うあなたよどうか
わたしの心を

八月の残光 炎天に咲いた
翳る水底 沈んでゆくように
夕景、紛う、白昼夢 呼吸をひとつ閉じ込めて
鼓動は滲んだまま

「太陽を夜が砕いて、そうやって八月は終わるんだ」
空に傷痕 なぞる指先
揺らめいた あなただけがきっと夏だった

夕景、紛う、白昼夢 呼吸をひとつ閉じ込めて
どんなに沈んで 滲んだって まだ醒めない
翳る水底、揺らす あなたの影も
透明に変えてしまえたら

夕凪いだ空 星降の断章へ
連れてって ねえ 連れてって ねえ
秒針のない夕景 あなたが笑うから わたしは

消さないで、まだ 終わらない八月も
切り取ったまま 切り取ったまま
秒針のない夕景 笑うあなたよどうか
わたしの心を
心のわたしを

八月、水面に残響
炎天、攫っていった夕立は鳴り止んで
放課後、心臓に夕景
真夏の体温、象るように
あなたがそこにいた


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