しちりんのこと

燃え上がる火を見ていると心がざわめくのは人間がまだ狩猟をしていた頃、神を持たなかったがゆえの畏怖に起因しているのではないだろうか?(大げさ

それはともかく、目の前で食材を焼いて食べる、というのはなぜがワクワクするものだ。

東葛の人間なら誰でも知っている、常磐線ならびに東武アーバンパークライン(東武野田線)の沿線にある黄色い看板のホルモン焼き屋チェーン、それが「しちりん」だ。

…なんだが、実は店舗が2系統あって色々とややこしい。「餃子の王将」と「大阪王将」みたいなもの、といえば分かりやすいかと思う。

調べてみたら経営者が兄と弟でこのあたりも王将と似ているが、おそらく代替わりした時に分裂でもしたのではないだろうか?

兄のほうが店名「あみ焼元祖しちりん」会社名は「有限会社しちりん」で、ドメインは.co.jp。新松戸が本店で千葉県内15店舗、東京・埼玉・茨城に10店舗の計25店舗を運営。(以下、兄しちりんと命名)

弟のほうは「備長炭火ホルモン焼しちりん」といい会社名は「株式会社七輪商事」ドメインは.com。松戸みのり台を本店に千葉県内に25店舗、東京・埼玉・茨城に7店舗の計32店舗を運営。(以下、弟しちりんと命名)

ロゴも似ているのでなかなかにややこしいが、看板に意匠化されたしちりんの絵があったら兄しちりんだ。

すでに入っていた場合はアルコールメニューを見れば判別できる。兄しちりんのほうが契約メーカーがアサヒビール、弟しちりんの場合はサントリーなので、”角ハイボールがあったら弟しちりん”と常に唱えておくとよいw

俺のほうはもっぱら弟しちりんを利用しているんだが、常連も多く、人気の秘密はやはり安価で炭火焼肉が食べられる、ということだろう。

角ハイボールは常時280円、メガジョッキで550円。お通しはなく、代わりに100円払えばその日の日替わりお通しを頼むことができる。例によって酢モツ(ガツ刺し)と日替わりお通し、この日はもつ煮込みだった。

注文してすぐに真っ赤に焼けた炭の入った七輪が置かれるので肉系を注文。

最近お気入りは鶏のネック。せせりの部分だ。常時あるわけではないので、店内の黒板をチェックするか店員さんに聞くのがいい。

ホルモンは選べる2種盛りで牛シマチョウと豚トロ(ネック)。3種盛りもあるが2種盛りと全体量は同じ150gなので1種50gの3種盛りか75gの2種盛りとするかはまあ、お好みで。

オッサンになってようやく味が分かってきたのがチューハイ280円。甲類焼酎の炭酸割りなんだが、注文時に梅シロップで、と言うとディスペンサーに入ったシロップを出してくれる。好きなだけ自分で入れて濃度を調整するとよい。これはいわゆる下町ハイボールの一種で、中身は合同酒精「梅の香GOLD」あたりだろう。

また、限られた店舗で平日の開店時~19時までやっている「おかえりなさいセット」が異様にコスパがよく、ドリンク2杯(生ビールなら1杯)+ホルモン1皿(選べる2部位)+小鉢1皿+刺身1皿で1000円という、このために俺は会社を休んだことが1回あるくらいだ。

ただし、どちらの系列も各店舗の独自運営にまかせている部分が多いので──例えばポイントカードが全店舗共通ではなかったり、その店独自のサービスメニューがあったりする──詳しくは各店舗内で確認するのがいいと思う。

店長クラスは皆若く気のいい兄ちゃんが多いし、何せカウンター内は女子高生バイトが多いのでそれもまた一興w(ただし店舗による)

無論テーブル席や小上がりもあって吸引式のパイプで煙が吸い出されるのである程度は安心できる…がまあこういう場所に綺麗な服で行くこともない。そういう気の置けない店なのだから。

備長炭火ホルモン焼き しちりん
あみ焼き元祖 しちりん