未題

暮らしは突然始まった。

プロローグ
2021年12月28日

わたしは既に仕事を放り投げて数日経っていた。
仕事に行かないでもやるべきことはいくらでもあった。例えば、芸術的な部屋の片付けとか、下水漏れの事務的な後処理とか、溜まった請求書の支払いとか。

その日はケーキを焼いた。
林檎と柿の甘酒パウンドケーキ。