楽しかった仕事
今7割の人がやる気がないという、世界でも有数のやる気ない国Japan。
僕はやる気あったよ、仕事しんどかったけど。
社外の代理店と社内の営業マン数名を担当していた入社して5年目ぐらいのある日、会社にかかってきた一本の電話。
営業マンAさんの担当に代われとのことで、僕が電話に出ると女の人が
「保険入ったけど証券が来ない」「領収証はお持ちですか?」「ある」「どんな領収証ですか?」「市販の領収証や」「それは使用が認められていません、すぐにお伺いします」「ちょっと後でまた電話くれるか?」「了解しました」
これはやばい。20分後ぐらいに再度電話すると、男の人が出た。「ご主人様ですか?」「いや若いもんやけど」「○○様はいらっしゃいますか?」「ちょっと待って」ふつう若いもんと言うと(☉。☉)「はい、今からきてんか」これはややこしい話になりそう、上司に「ちょっとややこしい人みたいですが」と言うと「どうぞ行ってらっしゃい」ん?これはひとりで行けと言うことか(・o・;)
言われた家に行くと、見たことが無い大きな犬か2匹、門のところに手をかけて僕の目の前で吠えている。170cmの僕より大きな体の犬、しかも2匹。男の人がふたり出てきて動かないようしてくれ、中に案内される。応接室に通された。ひとりで待たされていたのだが、前を見ると大きな写真が、横5メートル、縦1.5メートルぐらいの大きな写真。沖合に向かってふんどし一丁で数十人の男が腕組みをしている写真。背中には全員みごとな入れ墨。
そこに電話の主の女の人登場。
領収証をテーブルの上に置き「これや」
やはり思った通り使い込みだろう。
「申し訳ありません、すぐに担当のAから返金とお詫びをさせます。」「そうしてんか」途中若い衆がお茶を持ってきてくれたが「姉さんの知り合いやから、ワシらは何も言わんけど、そうでなかったらただではすまんで」と言いながら出て行った。隣の部屋では別の若いもんが空手の突きと蹴りをしていた。僕に見せ脅していたのだろうか。空手はその時点で7年ぐらいやっていたのでレベルはわかる。そんなに上手ではなかった。
ともあれ、無事に帰ることが出来て、すぐにAを呼び出し翌日返金した。先方の姉さんもそれ以上何も言うことなく問題も起こらなかった。
もう40年近く前の話だが、今とは違いおおらかだったのかなぁ。
暴対法も当時ないので恐怖は今より遥かに大きいが、今の自粛警察のような陰険さはない。
僕も若かったからか、そこにひとりで訪問することで特に恐怖を感じることもなかった。今ならとてもじゃないが、ひとりでは行く気にならない。危険な目に合うかもしれないことは、当時もわかっていたが、特にストレスにも感じなかった。今となっては懐かしい思い出やぁ。
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