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雑誌『ゲンロン』

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雑誌『ゲンロン』に掲載されている論文や小説の感想です
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#ボリス・グロイス

分業は疎外も連帯もうむーボリス・グロイス「アメリカの外ではスーパーマンしか理解されない」を読んでみた

ボリス・グロイスを読みます。前回は論文でしたが、今回はインタビューです。 タイトルは「アメリカの外ではスーパーマンしか理解されない」。上田洋子訳で雑誌『ゲンロン1』(2015年)に掲載されています。 グローバリズム崩壊インタビュアーはロシアの状況を問い、グロイスは答えます。 世界中(ロシア含む)で同じ事態が起こっている。 冷戦が生んだグローバリズムは崩壊しようとしている。トルコではオスマン語が再導入され、中国では孔子に熱狂し、イスラム世界では預言者時代のイスラムへ回帰してい

平等は不死の夢をみるーボリス・グロイス「ロシア宇宙主義」を読んでみた

ロシア現代思想関連書を読み続けています。 ナショナリストのドゥーギン(プーチンの脳と呼ばれている)、コミュニストのマグーンを読んだので、今回はリベラリストのボリス・グロイスを読みたいと思います。読むのは、「ロシア宇宙主義ー不死の生政治」(上田洋子訳 雑誌『ゲンロン2』2016年に収録)です。 ロシア宇宙主義ここでの宇宙とは調和がとれ、秩序がある状態であるコスモスを主に指していますが、宇宙旅行の宇宙の意味も含んでいるようです。そしてロシア宇宙主義とは、スティーブ・ジョブズなど