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理知を継ぐ者(1) 分からないもの①

 はじめまして、カズノpub. です。

【モチーフ】

 去年の春頃に、音楽業界にちょっとした波風が立ちました。トライセラトップスの和田唱が奥田民生を批判したという、あれです。
「あー、あったあった」と思い出す方も多いと思いますが、アラバキ・フェスでの出来事でした。なんでもトライセラのステージにゲスト(?)出演していた奥田が酔っぱらっていて、ずいぶんいい加減なステージだったという、それを和田が問題視した事件ですね。
 事件の概要はここらへんで分かります。

 ⇒奥田事件の概要

 Twitterで行われた和田の発信はここ ↓ で読めます。いえ、↓ こういったまとめをしてくれたサイトでしか今は読めません。当時のツイートは本人が削除してしまったようです。

 ⇒和田の発信

 本人から削除した発信を、あらためて紹介するというのも気が引けるところがあります。それでも紹介する意図は、これからの記事を読んでもらえば分かると思います。
 ともあれ、

 *

 アラバキ・ライブの奥田を引き合いにして、
「ステージ上での泥酔を良しとする風潮はどうなの」か、
「それを最高だの可愛いだの言うお客さんも俺はどう」かと思うし、
「許してるスタッフの大人たちも問題ありだ」と、
 そう和田は問題提起します。
 なぜなら、
「飲んでも演奏はちゃんとして、リハーサルで決めた段取りはちゃんと守って欲しい。格なんて関係ない」
 からです。そういった段取りを泥酔奥田は守ってくれなかった、演奏/歌唱もひどかったということでしょう。そんなさんざんな奥田について、
「周りがチヤホヤして許すから裸の王様が出来上がる」とし、
「みんなが言わないんだから俺が言う」ことにしたのが和田の発信で、
「もうさ、この変わり映えしないロック界のピラミッド社会、いい加減壊して行かないかい? 俺達から下の世代のミュージシャン諸君」
 と和田は訴えました。

 もちろん最終的には、
「民生さんは謝罪をしてくれた。俺も思ってることをハッキリ伝えた」ので、
「一連のツイートは消すことにします」となり、
 和田・奥田の緊張状態は解消されています。つまり和田の発信が削除されたのはこの前後だと分かりますけれど、そうして加えて、
「昨日ツイートせずにいられなかったのは『あの感じ』がまかり通ってる風潮に怒りを覚えたから」だったとの言葉で結ばれます。

 ここらへんまでが事件の概要ですけれど、さてところで、この和田ってヘンじゃないでしょうか?

【したいことが分からない】

 だって和田が憤っているのは奥田個人ではなく、「奥田の泥酔ステージをゆるすような、ロック界のピラミッド社会」ですよね。
 なんでそれで、奥田ひとりに謝罪されただけで、訴え全体を削除する必要があるんでしょう?



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