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生徒の塩崎君がG級でベスト賞を頂きました!

生徒の塩崎基央君がピティナG級でベスト賞をいただきました。門下生になってから2年ほど。撒き続けた種がようやく芽を出し始めました。

僕はとりあえず曲を形にするだけのレッスンというのはやらない主義で(というか根本的なことが気になってそもそも出来ない)、根っこの根っこまで遡って考えるので成果が出るまで時間がかかるんです。塩崎君は「なんとなくこんな感じ」という話が苦手なのでさらに輪をかけて時間がかかります(笑)。
例えば「ここの部分はもっと広い音楽にしよう」と言った場合(それがどんな音楽なのか感覚としては分かっているけれど)、広い音楽とはどんな現象なのか、弾いている人はどんな感覚になればいいのか(耳は?視界は?身体は?)、そしてそれを実際に音にするにはどのように体や腕を使えばいいのかというところまで説明します。
すべての要素を一旦バラバラにして組み立てる因数分解のような作業が求められるわけなんですが、彼はものすごく頭がいいので(「お勉強が出来る」というレベルではない)その全てを理解して、時に本質的な鋭い質問も飛んできます。その答えが僕自身が「なんとなく」把握している要素であれば、彼のためにうんうん考えながら自己分析をしないといけないのですが、それは自分にとってもとても実り多い時間です。


ちなみに僕は論理的に言葉で教えるレッスンも感覚に訴えるレッスンも、どちらも好きです。そして、すべての音楽家にそのどちらもの要素が必要であることは言うまでもありません。


要素を分解してその全てを把握しながら数学的に組み立てていくという作業は、実はものすごく時間のかかる作業です。なんとなくでマルッと感じとるほうが遥かに速いし遥かに情報量も多い。しかし、一つ一つ分解するからこそ見えてくるものもたくさんあります。また彼はレッスンだけでなく常にいろいろなものを観察して自分のものにしていて、本なども紹介したらすぐに全部読みます(紹介した自分はまだ全部読めてないのはナイショです🤫)。次にレッスンをすると予想もしない方向にガラッと変わっていることもよくあります(いい時もそうでない時もありますがf^_^;)。そんな類稀なる頭脳とモチベーションを元に、普通にセンスのいい人が普通に感じるのとは一味違う驚くべき音楽が出来るようになってくれるといいな、と願っています。


松本和将

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