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お葬式

上司の訃報が届いたのはバレンタインの翌日、2月15日のことだった。

オランダ人で、仕事は気難しいけど茶目っ気満載で、いつも暇なときには日本人メンバーをいじってた彼。咳が続いてるから治療を受けるといって療養し始めたのは11月末のこと。わずか3ヶ月弱で、彼はこの世を去ることになった。享年53歳。若すぎる死である。

今日は死後1カ月経ってからのセレモニーの日であったが、未だに彼が亡くなったことが信じられない。彼の定位置の斜め前の席は未だに空席で、長期休暇に入ってるだけなのではないかと今でも錯覚してしまう。彼が機嫌悪そうに電話したり、冗談言ったり、家族の自慢をしてる姿、今でもまぶたの後ろに焼き付いている。彼のやんわりした声も耳にしっかりと残っている。亡くなる1カ月前も自宅からビデオ会議でミーティングに参加して、家の中をカメラで見せてくれていた。その時はまだまだ元気そうだったのに、本当に人間って呆気なく亡くなるものだ。

彼とは知り合って数年、直属の上司だったのは僅か半年弱であったが、やはり毎日時間を共にしていた人の死というものは堪えるものだ。他人の死でこんなに悲しいのに、親が死を迎える時がきたら自分は一体どんな気持ちになってしまうのだろう。今から怖くもある。

人生何が起こるか分からないということを教えてくれた彼。明日死んでも後悔のないように、毎日を大切に生きよう。

Rest in Peace.

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