ベンダーはこれまで付き合いのなかったユーザー企業に対して、通常よりも大幅な値引きを提示する

新規顧客の開拓に成功した営業担当者にインセンティブ(報奨金)を支払うベンダーも多いので、自然と値引き幅は大きくなる。これはシステム構築サービスに限ったことでなく、ハード/ソフト製品を販売するときも同じである。  かつてはあまり値引きをしないことで有名だった日本IBMでさえ、新規顧客向けの特別価格を設定している。本誌が複数の関係者に取材したところ、同社のサーバー製品には、確かに「特別価格」があった。例えば、オフコン「eServer iSeries」の場合、その価格は「標準価格の60%引き」とされている。サーバー単体でみれば、ほとんど赤字、または赤字ギリギリの水準である。  日本IBMはソフトウエア製品についても、新規顧客向けの特別価格を設定しているようだ。こちらの値引き率は明らかではないが、サーバー製品よりもかなり大きいとみられる。「最初にIBMと取引をしたときは、WebSphere(日本IBMのアプリケーション・サーバー・ソフト)をタダ同然で“購入”できた」という証言も

Edit

この記事は、ビジネスソフトウェアやハードウェア業界における新規顧客獲得戦略について説明しています。主なポイントは以下の通りです:

  1. 新規顧客への大幅値引き:

    • ほとんどのベンダーが新規顧客に対して通常よりも大きな値引きを提供しています。

    • これはシステム構築サービス、ハードウェア、ソフトウェア製品全般に当てはまります。

  2. 営業担当者へのインセンティブ:

    • 新規顧客獲得に成功した営業担当者に報奨金を支払うベンダーが多いです。

    • これが結果的に値引き幅を大きくする要因となっています。

  3. 日本IBMの例:

    • かつては値引きに消極的だった日本IBMも、新規顧客向けの特別価格を設定しています。

    • サーバー製品「eServer iSeries」では、標準価格の60%引きという大幅な値引きがあります。

    • この水準は、サーバー単体では赤字またはそれに近い状態です。

  4. ソフトウェア製品の値引き:

    • 日本IBMはソフトウェア製品でも新規顧客向けの特別価格を設定しています。

    • ソフトウェアの値引き率はサーバー製品よりも大きいと推測されています。

    • WebSphereというアプリケーション・サーバー・ソフトをほぼ無料で提供した例もあるようです。

この戦略の背景には、新規顧客を獲得することで将来的な取引拡大を狙う長期的な視点があります。初回の取引で利益を出さなくても、顧客との関係を構築し、将来的な収益につなげる狙いがあると考えられます。

このような価格戦略は、ビジネスソフトウェアやハードウェア市場の競争の激しさを示すと同時に、新規顧客獲得の重要性を表しています。顧客にとっては、初回取引時に大きな値引きを受けられる可能性があることを示唆しています。

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