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『日本犬と暮らして』・5

チビの受難!

扉で仕切られて「チビ」と「太郎」┃「チョースケ」と「デビ」の二頭のコンビが離れて生活するようになった最初のきっかけは、まだ小さかった「チョースケ」を太郎が噛んだことから始まります。太郎は私に怒られ・・
首をうなだれたままお座りして、体を小さくしてプルプル・・・震えていました
(可愛かったですw)。

そんなことから太郎とチョースケを一緒にしておけず、離すことになります。デビに反撃されたチビもデビを恐れるようになり、結果、扉で仕切られます。(太郎とデビは喧嘩することもない父娘の関係ですw)

そんな関係性で、車での遠出の散歩には太郎とチョースケは一緒に出来ず・・太郎を留守番させることにしました。

でも・・悲痛な声をあげて激しく玄関の扉を叩いている太郎があまりに可哀想だったので、次からは太郎をケージに入れて、全員で散歩するようになりました。(笑)
(その頃には、車は乗用車からハイエース・スーパーロング・バンとなり、キャンピング仕様に改造も加えていたので、犬四頭は余裕で乗せられました。)

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まだ乗用車だった頃、入間川の河原に連れてきて太郎を放したのですが、
開放された嬉しさで走り回り・・帰る時間となり、呼んでもなかなか帰ってこないことがありました。仕方がないので私は車に乗り込みます。

太郎!・・置いてくからな?!」

太郎は車から離れたまま、少し心配そうにこちらを見ています。
車の扉を開けたまま・・

行くぞ?!」と、車をソロソロと動かします。

置いていかれちゃ大変?と、太郎が走ってきて車の助手席に飛び乗りました。(笑)

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(・・・置いていかれる?・・ちょっと心配そうな太郎ですw)


さて、今回の本題です(やっと?w)

台風が近付いて来ていたのですが、その日も入間川の河原に車で散歩に来ました。
(太郎はまだケージの中)チョースケとデビは車から飛び降りて走り去ります!
股関節を固定する金属棒を入れられながらも、走れるようになっていたチビも車から飛び降ります!

キャン!!
?!

私は不安になりましたが、チビはそのままゆっくりとデビたちのほうに歩いて行きます・・・
私は太郎をケージから出して、リードのままに太郎を連れての散歩です。
チョースケとデビは激しく、楽しそうに遊んでいます。 チビも傍にいるようでした。

時間が過ぎて・・帰る頃合です。太郎をケージに入れて、チョースケたちを呼びます!
チョースケとデビが走って来て車に飛び乗ります!

でも・・・・?!

チビの姿が見えないのです?

最後にチビの姿を見たのは河原の葦の茂みの方です。茂みが阻んで遠くまで確認することも出来ません。 チビの名前を呼びながら必死に捜しましたが・・・?!
辺りが暗くなっても、ついにチビの姿を見つけることは出来ませんでした。

私は、一端、家に帰る決断をします。
夜にもう一度来るつもりでした。

でも折り悪く台風到来!!

強風!豪雨!!雷!!!

葦原に向かうチビの後姿を思いました。おそらく、、車から飛び降りた時に
金属棒で支えられた股関節に異常が生じたのだと思います。
チビはショックを受けて・・憔悴したように、まるで・・「死を受け入れた象が墓場に向かうような・・」そんなチビの心境の想像までして、その夜は眠れませんでした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌朝! 雨や風も治まり、犬たちを自宅に置いたまま、私は車を飛ばしました!!
河原の荒れた地面は雨に晒されて慣らされ・・チビの足跡を発見出来るかもしれない・・それが望みでした。

ありました!! チビの足跡です?!!
これを辿ればいい・・・!!

そしてついに・・・・・

チビ発見!!!

チビは声もなく弱々しくうなだれていました・・・
無理もありません。一晩もの間、脚の状態に絶望し、強風と豪雨と豪雷に孤独なままに晒されていたのです。

ごめんな!・・ごめんなチビ・・・ 家に帰ろうな!!」

もう30年以上も昔の出来事ですが、その時のことを思い返すと・・涙が出てきます。

抱きかかえて車に乗せました。
その時に気がついたのですが、チビの背中に違和感?
股関節を支えていた金属棒が、どうやら背中まで移動していたようでした。

動物病院で金属棒の除去。 獣医の先生が言うには「このままにしておきましょう」ということでした。 股関節はそのうちに安定してきて「偽関節」が出来て、普通に過ごせるようになる・・という話でした。 チビの入院を勧められましたが、自宅に連れ帰ることにしました。

チビはそれから一週間・・・毎日、毎日・・ただ寝ているような日々を過ごしていました。

そして、心と体の傷も癒えて・・・元気に散歩するチビが復活しました。

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お付き合い・・ありがとうございました。


○おまけ画像

『野菊の墓』・・ですが、今日も一部の画像で失礼します。。
(画像だけでは欲求不満になるとのコメントをいただきましたが、もし、気が向けば・・の話ですが、Amazonでまだ購入できるかもしれませんw)

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・・以上です。ありがとうございました。

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