交響ラップ
2024.7.17にサントリーホールで開催された「交響ラップ」という企画を聴きに行きました。
プロデューサー、MCは、湯山玲子さん。
指揮は、原田慶太楼さん。
パシフィックフィルハーモニア東京のご演奏です。
HPのトップには、「言葉を持たないクラシック音楽が、時代のセンスに従って、ラッパーたちの言葉から、新たな響きを獲得する、刺激的な音楽の現場が、『交響ラップ』です」と書いてあります。
以下は、演目と私なりの感想。
楽しかったです。
・ヴェルディ/歌劇「運命の力」序曲
このイベントの幕開けにふさわしい高揚感でした。
菅弦楽器が印象的。
サントリーホール、音めちゃくちゃ良いですね。
・N/K a.k.a. 菊地成孔,QN
林光/映画『秋津温泉』より「ラストシーン・新子の死」
私、この曲を知らなかったので予習もできずに行った。
なので、曲とラップの融合まで頭が追いつかず、菊地成孔のラップだけ聴いてた。QNがラップし始めて、ホールに合う声と合わない声(聴き取りにくい声)があるのかと思い始めた。私の終わってる耳では、菊地成孔の声が聴き取りにくい。QNははっきり分かる。…などと思ってる間に終わってしまった。
・呂布カルマ
サティ/3つのジムノペディより第1番「ゆっくりと悩める如く」、第3番「ゆっくり、厳かに」(ドビュッシーによる管弦楽編)
ドビュッシー編曲の方。
これは、もう、その通りだと思った。テンションとしては、バトルの呂布カルマより、YouTube配信の時の方に近い感じ。静謐な、そして内省的なラップで、サティはこれに違いないと私も思った。名古屋の田んぼ?の風景の中歩きながら考えたリリックらしい。呂布さん、好きでした。
・NENE(ゆるふわギャング)
坂本龍一/Anger-from untitled 01
NENEって、たぶん怒りの感情もいっぱいあるんだろうけどピースな人だしいろんな声が出せるから、どんな感じでくるのかラップし出すまで全然分からなかった。びっくりした。良すぎた。何なん。音源化してもらいたい。ホールで聴くと、きれいな通る声ですね。知らなかったです。フレシノかな?と思った。似てる気がした。ということはフレシノはいつも怒ってるのだろうか。
・DOTAMA×HUNGER(GAGLE)
梅本佑利/委嘱作品「MCバトルのための、スーパー・サンプリング クラシック・ボム」(SUPER SAMPLING CLASSIC BOMB FOR MC BATTLE)
梅本さんの曲はこの日のための曲なので、どんな曲が来るのか分からなかったけどとても面白かった。3曲とも良かった。1回きりの演奏だし、バトルだけど、MC2人が前からこれでやってきたんかなと思うぐらいの落ち着きようだった。本当に上手いんだなと思う。
・HIDENKA
ホルスト/組曲『惑星』作品32より第1曲「火星 戦争の神」
社会に対する怒りだったか戦いだったか忘れてしまったが、
HIDENKAさんがこの曲を選んだ理由はHIPHOPとの親和性を感じたのと、ラップの入る隙間があると思ったからと仰っていたように思う。でも、ホール全体を包み込む何かを放ってらっしゃって私は幸せを感じました。言葉が聴き取れなかったので波動を感じました。
・志人
ベートーヴェン/交響曲第7番イ長調作品92より第2楽章
静かに入ったと思ったらメロディーを歌い出し始めてびっくりした。途中で民謡のようなフロウも出てきて、さらにびっくりした。これからは、第7番第2楽章を聴いたら志人さんの声が乗って私の脳内で再生されると思う。私が聴いてきたベートーヴェンが覆った。ありがとうございました。
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