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more(3)

(2)の続きです。

歌詞に注意しながら聴いていると、
「You gave me all opportunities」
「I'm singing your song again」
といったように、歌っている「I」には、
「You」という存在がいるんだなと気づく。

この「You」は、

You know it all,my anxieties
You've seen me in my insanities

僕が抱える不安を君は全て知っている
僕の愚かさも知っている
「more」

大変近しい存在である。

anxieties いろんな不安、
insanities いくつもの愚かな行為、あるいは狂気

そんなセンシティブな部分さえも知っている「You」は、
私は他人ではないように思う。

敢えて解釈するならば、
たとえば、内なる自分や
どんな自分をも見てくれている大いなる存在
あるいは自分の気持ちを代弁してくれるような芸術を伝えてくれるアーティストの存在など、

呼び名はいろいろあるかもしれない。

つまり、この曲は何らかのポジティブな光を見せてくれる「You」と
それに共鳴する自分自身について歌われているのではないかと思う。

神様のような、保護者のような、慈愛に満ちた「You」がいつもそばにいて全てを知ってくれている。

振り返らないぞ、そこへたどり着くまで立ち止まらないんだと決意。

Up and down driving faster than we could go
Climb fences breaking all rules we know

全ての限界を超えて走りながら
ルールを壊して壁を登ろう
「more」

ビックリするぐらい元気いっぱいな歌詞である。
「we」=僕たちは、一緒に困難に立ち向かっていく。

私には、「we」と歌われるこの部分は、
先ほどの「You」が自分を励まして併走してくれている(あるいは胸の内にいる)から走り出せると歌っているように聴こえる。

そして、いつのまにか「we」の中に、曲の聴き手である私達も入れてもらえているように感じる。

なんて良い歌詞を書くんでしょうか。

長々と書いてきたが、
この曲を聴いて、初めて眼前に広がった風景について、最後に書いておきたい。

Every moment with you
I feel the little butterflies
Starry eyes
I'm singing your song again

君といる時はいつだって胸が踊るんだ
それはまるで蝶が飛ぶよう
僕の目はきっと輝くだろう
君の歌を歌いながら
「more」

これまでも私はいくつもの春夏秋冬を過ごし、
蝶が舞う姿を見て心が慰められた経験がある。

蝶の舞う姿を見て、きれいだなかわいいなとは、
おそらく多くの人が思うことだろう。

だが、この歌詞を聴いて、また日本語詞を読んで、
蝶が飛び交う姿を歓びの姿だと捉えている感性に心底感激した。

「君といる時はいつだって心が踊るんだ
それはまるで蝶が飛ぶよう」

僕の目が、Starry ピカピカ🌟光るだろうというのもいい。
君の歌、僕の歌、この「more」をもう一度歌いながら。

今はまだ冬で、小さな生き物たちの姿を見かけることはできないが、
春が来て、そして夏が来て、色とりどりの花の上を飛び交う蝶を見かけた時、
私はまたこの曲を聴きたくなるだろう。

その日が来るのが楽しみだ。
歓びの舞を舞ってくれる蝶たちの姿が見たい。

この祝福の曲を創ってくださったDedachiKentaさん、AmPm、FUNTYME、関口シンゴさんはじめこの曲に関わってくださった皆さん、
このような楽しみを与えてくださって、
本当にありがとう。


▽DedachiKentaさんが、英語の「butterfly」について、語っている動画。日本語文化にはない意味が込められていて、興味深かったです。
恋をしている気持ちを「butterfly」が飛ぶ様子で表す、と。私の↑の感想とは異なりますが、「more」の歌詞を書く上でinspireされたと思われる発想だなと思うので、貼っておきます。

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