腹六分目くらいが一番幸せ

 腹を満たす食事と心を満たす食事は必ずしも一致しないようだ。
 なんとなく気が向いて、雰囲気の良い小さな喫茶店に入った。けして安くはない価格設定に、コーヒーだけ…と貧乏人根性を働かせるが、昼時の空きっ腹の誘惑に抗えず、ついにカレーライスを注文。多くはないものの、しっかりと牛肉の入ったスパイシーなカレーに舌づつみを打った。
 ルーの辛味、ライスの甘み、柴漬けの酸味、アイスコーヒーの苦味を交互に感じ、腹が満たされていくよろこびが体に満ちる。満足とはこういうことだと感じた。費用対熱量にばかり目を向けた普段の自分の食の粗さを思い知らされた気分だった。

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