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秋の夜長に楽しむ「青のオーケストラ」イッキ見放送

今回のEテレでの「青のオーケストラ」イッキ見放送は、6話ずつの放送になります。改めて、見どころを振り返っておきましょうか。(以前、私の個人xで画像紹介した内容にかなり加筆していますが、方向性は同一です)

初日の第1話から第6話までは、父・龍仁に対して葛藤する青野くんと「オーケストラ」とのファースト・コンタクト。りっちゃんと出会ったことで再びヴァイオリンを手にした青野くんが海幕高校に入学して、佐伯と「演奏バトル」を繰り広げた後に、先輩たちによる「合奏」を聴いて音を合わせることの難しさを知るまで。
物語的にも、第2話の夕暮れの河川敷で青野くんが弾くパッフェルベルの「カノン」、第5話の青野VS佐伯、それに続く原田マジック炸裂のヴィヴァルディ「春」あたりは必聴ですね。

2日目の第7話から第12話までは、ハルちゃんが抱えている苦悩と、りっちゃんとの心の共鳴。オーケストラという集団の中で、青野くんとりっちゃんが味わう「合奏」の難しさと、定期演奏会のためのオーディションを目指すことで見えてくるもの。そしてオーディションでの、青野くんの“演奏”による「俺を見ろ!!!」という主張。
大きな聴きどころは、第8話のりっちゃんの願いを受けてハルちゃんが奏でるバッハ「G線上のアリア」と、第12話のドボルザーク「交響曲第9番『新世界より』第3楽章」の青野くんヴァイオリン独奏。

3日目は、第13話から第18話まで。「お前の演奏はソロなんだ」と鮎川先生に言われた青野くんが、町井先輩の助言を受けて、少しずつ理解していくオーケストラへの向き合い方と楽しさ。そして、先輩たちが演奏する『新世界より』第2楽章に「秋の夕暮れ」を感じ取ったことによる佐伯直の覚醒と、青野くんの焦り。佐伯が打ち明けた予想もしていなかった真実と、青野くんが受けた大きな衝撃。武田先生の「誰かを頼っていい」というアドバイス。
音楽的には、第15話のトップ練でのドヴォルザーク「交響曲第9番『新世界より』第2楽章」。

最終日は、第19話から第24話まで。佐伯との「ケンカ」による和解を経て、みんなで花火大会に行くなど、心の中を「整理」していく青野くん。さらに「心の旅」をして、父・龍仁との過去を振り返った青野くんが、演奏家として一歩前に進み始める。再オーディションで佐伯に勝ち、迎えた定期演奏会。どん底に落ちていた青野くんが自分の気持ちにケリをつけて、本番に臨むまで、怒涛の展開。
その中に、立石真理部長の夏への思いなど、青春モノらしい描写も含まれていて。「青オケ」らしさが詰まっている6話分だと言えます。
注目すべき曲は、第21話の青野くんが弾くドボルザーク「ユーモレスク」。その演奏から青野くんの心情が伝わってくる東亮汰さんの名演です。そして、定期演奏会で披露される曲は、全部が聴きどころ! ビゼーの歌劇「カルメン」前奏曲、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」組曲から『小序曲』と『花のワルツ』、ヴィヴァルディ「四季」より『春』と『夏』、ドボルザーク「交響曲第9番『新世界より』」。
もう、演奏に酔いしれちゃってください!

以前も投稿したけれど、連続して見られることでのメリットがたくさん。例えば、第1話と第2話。第1話は青野くんの龍仁に対する葛藤がじっくりと描かれていく展開だったからこそ、第2話ラストの「カノン」まで一気に見ることで、第1話の鬱屈を全部掬えると思うんですよ。第7話と第8話もそう。ハルちゃんが抱えていた心の闇とりっちゃんに対するわだかまり(同様に、りっちゃん自身も複雑な感情を持っていた)が、「G線上のアリア」で昇華していて。極めつけは定期演奏会ですね。ああ、幕間の休憩なしで見られる! 至福の50分になりそうで……。

そして、これも前に書いたけれど、ぜひ大音量で楽しんでいただきたいと思っています。深夜帯のアンコール放送だから、リアルタイム視聴ならヘッドホンで。録画して昼間見るのであれば、ぜひテレビの再生音量を大幅に上げていただきたく……。
例えば、第2話の感動のシーン。本放送のとき、青野くんが河川敷で「カノン」を弾く直前、「ここはいろんな音が聞こえる。でも、あいつ(父親)の音は聞こえない」と語る場面のセリフに、私は少しだけ違和感があったんですよ。「そこまで、いろんな音が聞こえてるかなぁ?」と。
なので私は、再放送時に、テレビのボリューム設定をいつもの3倍くらいにしてみた。すると、最初は気づかなかった、いろんな音が! 青野くんがりっちゃんから渡されたヴァイオリンを握るときに小さく軋む音、街の雑踏、電車の警笛音、子どもの声、自転車を漕ぐ音までが、はっきり聞き取れたんですよね。
声優さんたちが発声するセリフとセリフの間の息遣いも、より鮮明になって。各キャラクターの感情の揺れが、さらに明確に伝わってきた。

ながら視聴で(特にスマホのスピーカーなどで)聞いていると、視聴環境の違いで、生活音に紛れてしまい、気づきにくいことがありそうな音が、実はものすごく含まれているんですよね。だから、加隈亜衣さんも「いいスピーカーを買おうか迷っています」と言っていた)。
本来は、映画館やコンサートホールのように、作品以外の音が聞こえない状況が望ましいんだろうな。そこまでは難しくても、できるだけ大きな音で楽しむとさらに楽しめるんじゃないかなと思っています。

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