【アルゼンチンタンゴ】ボクのパレハは何処へ？パレハ探しの長ーい旅(1)

前回紹介したように、アルゼンチンタンゴ界で「パレハ(pareja)」と言うと、いくつか意味があるが、ここではあくまで「練習のためのダンスパートナー」という意味で、使っている。

正直、それ以上の域に足を踏み入れる勇気は、まだない(笑)。

一人でブエノスアイレスに来てしまった自分は、練習するために、パレハを探すしかない。

やはり、本場のブエノスアイレスに来ると、上手い人はたくさんいるので、「うまくなりたい！」と強く思い、モチベーションは上がりまくる！

しかし、世の中そう簡単にいくわけはなく、上手い女子に限って、上手い男子のパレハがいるのだ、、、

「スンデルランド」という有名な場所で、クラスを取っていた頃、一人で通っていた。

このクラスは少し特殊なので、クラスに来る人は、ほとんどパレハで来ていたが、自分はそんなことをあまり気にせずに（というか、あとから判明した笑）通っていた。

ある日のクラスに、女性（以降、Aさん）が一人で来ていた。

Aさんは以前からここに出入りしているようで、常連の人たち皆んなとハグしていた。

お互い一人で来ていたので、「じゃあ踊ろうか」ということになり、一緒に踊った。

それまで一人で練習していたので、Aさんと踊って、とても気持ちよかった。

Aさんは感情が踊りにかなり出るタイプだった。（これ、自分の好きなタイプ笑）

スンデルランドには、自分以外にもう一人、中年の男性がいつも来ていたので、数曲踊ると、Aさんは彼を気にして、「彼と踊ってくる」と言って、自分の元を離れていった。

その後、Aさんが戻ってきて、色々話をしてみた。

Aさんはアルゼンチン出身で、スンデルランドの近くに住んでおり、おそらく自分より少し年下。本気で上手くなりたい、というよりは、楽しめればいいというスタンスだった。指圧やレイキなど、日本系の民間療法を行う施設で働いているらしく、日本に興味を持っていた。体型はグラマラスな感じで、肌は浅黒い感じの黒髪。

自分のたどたどしいスペイン語で会話して、連絡先を交換。

そのクラスでは、今まで一人で練習することが多かったので、彼女が現れて、少しモチベーションが上がった。

Aさんは、翌週のクラスは来れない、と言っていたので、少し残念な気持ちで、翌週のクラスに行ってみると、、、

見かけたことのない女性（以降、Bさん）が、一人で来ていた。

Bさんも、このクラスに久しぶりに来たという感じで、常連の生徒たちに歓迎されながら、クラスに参加していた。

Aさんの時と同じように、お互い一人で来ていたこともあり、Bさん一緒に踊ることになった。

いつも一人で来ている中年のおじさんには申し訳なかったが、Bさんと結局、最後の方までずっと踊っていた。

Bさんはイスラエル出身で、アルゼンチンに何回も来ており、スペイン語も（もちろん英語も）ペラペラで、イスラエルでタンゴのイベントを何回も主催していたようだ。（これ以上言うと、分かる人には分かる笑）自分よりも年上で、かなり踊り慣れている、といった感じだった。

Bさんとも連絡先を交換して、「今度一緒にミロンガに行こう」ということになった。

正直、最初に感じた印象では、AさんよりBさんの方が、踊っていて、気持ちよかった。

その後、Bさんと何回か一緒にミロンガに行ってみた。

タンゴに対する考えや今後の計画など、彼女のことをより知ることができた。

「練習のためのダンスパートナー」という意味での「パレハ」としては、その当時の時点で、彼女が最適だった。

但し、ここで二つの選択肢がでてくる。

１、「今ここで彼女にパレハになることを依頼するか」

２、「もう少し見てみて、他の可能性を見てみるか」

人間、欲が出るものだ(笑)。

しかし、ここで選択したのは、上記のどちらでもなく、

一番都合の良いものだった。

つまり、

３、「スンデルランドのクラスにお互いが行く時は、一緒に練習する」

この提案はお互いにとって、プラスだと思い、

あるミロンガで提案してみた。

すると、彼女はいきなり真剣な表情に変わり、

「このミロンガが終わったら、外で少し話してもいい？」

と自分に聞いてきた。

「え、なんだろう、、、」

続く！

以上。