【アルゼンチンタンゴ】「パレハ(pareja)」という概念ー友達以上?恋人未満?昼ドラ以上のドロドロな世界
自分はインドでタンゴを始めて、2018年5月に一人でアルゼンチンのブエノスアイレスに来た。
ここに来て、強く感じたのは、「パレハ(pareja)」という概念。
「パレハ」とはスペイン語で、日本語で訳すならば、「ペア」や「パートナー」という意味だ。
一般的には、「恋人」や「配偶者」という意味で、「パレハ」を使うものの、タンゴ界では、基本的に「ダンスパートナー」という意味になり、若干ニュアンスが異なる。
どういう意味かというと、
「ダンスパートナー」=「恋人、配偶者」
とは「限らない」からだ。
例えば、有名なダンサーである「Aoniken Quiroga & Noelia Barsi」は、それぞれに恋人や配偶者がおり、あくまで二人の関係は、「ダンスパートナー」であり、それ以上でもそれ以下でもない。
つまり、「ビジネスパートナー」とも言える。
但し、そんな簡単に男女の関係を割り切れる人は、少数派だ。
つまり、
「ダンスパートナー」=「恋人、配偶者」
という構図が非常に成り立ちやすい。
それもそのはず、あんなに密着して、ずっと踊っていれば、感情移入が出てくるのも、人間の性として、仕方ないし、むしろ正常なぐらいだ。
ラテン人なら、なおさらかもしれない(笑)。
かつ、その感情移入が、タンゴの踊り自体に表れるのは、ダンスにとってかなりプラスなので、うまく関係が続けば、一石二鳥、一石三鳥だろう。
しかし、タンゴの世界は、こうした本能の赴くままに、理性が働かないラテン人ばかりいるので、昼ドラ以上のドロドロした物語でいっぱいだ。
よく聞くのが、
「恋人としての関係の終了」=「ダンスパートナーとしての関係の終了」
という構図。
典型的な例だと、「Sebastian Jimenez & Maria Ines」。
ただでさえ、別れて気まずいのに、別れた後もその相手と踊り続けるのは、酷な話。こうやって、あまたものパレハが、解散していった。。。そのため、一人で教えている先生もたくさんいるのが現状。
これを見て、「うわぁ、パレハって大変だなー」って思うみなさん、
もう少し軽めの「パレハ」も存在するのでご安心を。
それは、「タンゴを練習するパートナー」としての「パレハ」だ。
そこまでコミットしていないので関係は楽だけど、そこから「恋人にレベルアップ」したり、自分や相手に、恋人や別のうまいパートナーが見つかって、「パレハ解消」したり、ここでも色んなドラマが起きる(笑)。
やはり、男女の間で何かやろうとすると、色々あるようだ。
と、ここまでネガティブなことをたくさん書いてきたが、ダンスパートナーがライフパートナーになることは理想と言えるだろう。
お互いの人生を共有しながら、ダンスの中でも、お互いの存在・感情を共有することは、この上なく、至福で幸運なことだろう。
さて、ここの一つの永遠の課題が出てくる。
「じゃあ、どうやって、パレハを見つけるの?」
その答えは、、、
自分も知りたいぐらいだ(笑)。
次回以降は、実体験を元に、自分の「パレハ探しの旅」を紹介していきたい。
以上。