ケンブリッジ英検全受験記録

この記事では、筆者が今までに受けたケンブリッジ英語検定の試験について、試験前にやったこと、試験当日の状況・手応え、試験結果等を記憶と記録に基づいて書いていきます。


1回目 2017年3月 CPE

ケンブリッジ英検を受けようと思ったきっかけは、ツイッター(現X)かどこかで、ケンブリッジ英検最高レベルのCPE(現C2 Proficiency)という試験がとても難しいらしいという情報を得たことです。当時すでにTOEFL iBTのリーディングとリスニングで満点を取っており、力試しの場を求めていたので、即日CPEに申し込みました。試験日まで1ヶ月半ほどのタイミングでした。ケンブリッジ英検の実施団体は複数あるのですが、ググって最初にでてきたジャスティーではpaper-based(PB)の試験しか実施しておらず(ついでに申し込み方も分かりづらい)、手書きのライティングがいやだったので、computer-based(CB)の試験も実施していた今は亡き基盤学力総合研究所で申し込みました。

試験前準備

やったことは、公式サイトにあるサンプルテスト、公式問題集2冊、Success at Cambridge English: Proficiency Writingという薄い本、YouTube動画視聴。それぞれについて以下で述べます。
1.サンプルテスト

まずは、上のリンク先にあるサンプルテストをやりました。基本です。やってみた感想は、リーディングとUse of English(UoE)が難しくてやばそうだと感じましたが、リスニングは何とかなるだろうと判断しました。音声を聞き終えるまで問題が表示されないTOEFL iBTのリスニングと違い、聞きながら問題を読まざるを得ない問題形式に苦手意識はありましたが、音声の聞き取り自体は特に難しくないと思ったからです。何とかなりそうだと思ってしまったリスニングは解きっぱなしでろくに問題分析もしなかったと記憶しています。ライティングとスピーキングはやりませんでしたが、ライティングの採点例を読み、スピーキングの問題を読むぐらいのことはしたと思います。

2.公式問題集
音声無し版を買ってしまったので、リスニングはやっていません。リーディングとUoEのみ問題を解き、ライティングはanswer keys的なものだけ読み、スピーキングは適当に問題を読むだけでした。その結果いくつか気付いたことがあります。
・UoE Part 4は書き換え前の文の情報が過不足無く書き換え後の文にも含まれるように意識しないと何か抜けがち
・リーディングPart 5と7は本文・選択肢間の言い換えに気付くだけで正解できる単純な問題が案外多い
・ライティングPart 1の要約問題は提示された2つの文章のそれぞれから2点ずつ拾うべきポイントがあり、これらの点が解答に含まれているかどうかが採点基準の1つになっている?

3.Success at Cambridge English: Proficiency Writing
ライティングの一通りの問題パターンに対する解答例と解説が載ってる非公式本。電子書籍(紙版もあるようです)だし安いからと軽い気持ちで買いましたが、ちらっと見てこれは自分には書けそうにないハイレベルさだと思い、そっと閉じました。

4.YouTube
とりあえず公式の動画を見ました。基本です。

これ以外には、C2レベルの語彙を解説していると自称するチャンネルの動画をいくつか見ましたが、あまり意味は無かったと思います。

試験当日

試験の1、2週間前(記憶あいまい)から風邪と花粉症を併発して体調は最悪。試験数日前に自分で救急車を呼んだほどのひどい状態で、前日夜の時点でも受けるかどうか迷っていました。しかし、就寝時になってワクワクしてきたため受けることにしました。

朝早い試験ですが、会場が家から徒歩30分となかなかの好立地で助かりました。

各セクションの感想
・リーディング、UoE、リスニングについてはあまり覚えていません。全く分からないということはありませんでしたが、はっきりできたという感触も無し。
・ライティングは、Part 1は上記した各文章から2つずつポイントを押さえるということを狙い通りできたと思いますが、時間をかけすぎてしまったため、Part 2で指定語数280~320語に対して200語ほどしか書けず、絶望。ちなみにCBでは常に語数が表示されているので、自分で数える必要はありません。
・スピーキングは通常受験者2人を1組として行われますが、数が合わなかったため3人組に入れられ、この時点で嫌な予感がしましたが、そんなことを気にするまでもなくあまり英語は喋れません。2分間一人で喋り続けるパートはそれなりに喋れた気がしますが、インタラクションパートはさっぱりで、全体としてC1未満のスコアでも納得の出来でした。(参考までに、この時点で受けたことはありませんでしたが、IELTSのスピーキングでも2分間喋り続けるPart 2に比べて他のパートはダメダメで、結果は6.0であることが多いです。)

結果

CBだったので約2週間後には結果が出ました。早い

1回目結果

リーディングはこんなもんかなといったところ。UoEの満点は意外。多分全問正解ではなかったと思います。リスニングはもう少しできたかった。ライティングは語数が大幅に足りてないのにこんなに点数をくれていいのかという感じ。スピーキングもかなり甘い採点だと思います。

2回目 2019年11月 CPE

前回受験からそれなりに時間がたったところで、力試しに再びCPEを受けることに。前回同様、基盤学力総合研究所でCBの試験に申し込みました。

試験前準備

何もしていません。公式問題集は1回目受験後に手放しました。

試験当日

前回と同じ会場で、自身が引っ越していたことにより徒歩15分。

前の席の受験者が、貧乏揺すりが激しかったか鼻をかむ音がうるさかったか何なのか詳細は忘れましたが、かなりイライラさせられたのを覚えています。

各セクションの感想
・リーディングは一通り終えた後、Part 6の段落整序で時間ギリギリまで悩みましたが、最後に文章全体の流れが見えて全ての解答に確信が持てました。Part 6で確実に正解するには、空欄の直前直後だけに気を取られず、全体の流れに気付く余裕が欲しいところです。
・UoEでどこか確実に間違えた的なツイートをしていましたが、UoEではなくリーディングのPart 1だったかもしれません。当時はPart 1がUoEだと思っていました。Part 3で、crucialからcruxを導き出すという俺にしか正解できないだろと思った問題がありましたが、本当にそれで正解だったかどうかは分かりません。
・ライティングPart 1では、前回同様2つの文章から2つずつのポイントを抽出することはスパッとできましたが、全体で1つのエッセイに上手くまとめられず、とりあえず各要素を並べたところで時間も押してきたのでPart 2に進み、残った時間でPart 1全体を見直して修正することに。こういう作戦が取れるのがCBの良いところです。しかしPart 2で指定語数下限にギリギリ届いたところで時間切れ。Part 1に戻る時間なんてありませんでした。ちなみにPart 2では映画のレビューを改行無し(段落分け無し)のフリースタイルで書いたと記憶しています。
・リスニングは前述のイライラであまり集中できなかったような気がします。
・スピーキングはイライラの元がパートナーでしたが、誰が相手でも喋れないのであまり影響はありません。

結果

2回目結果

OverallでグレードAまであと1点という驚きの高得点でした。セクション別ではリスニングは物足りない。ライティングとスピーキングは手応えに対して点数高すぎ採点甘すぎと感じました。ライティングPart 1で納得のいく仕上がりにできていたらと悔やまれます。

3回目 2022年3月 CAE

またCPEを受けたかったのですが、開催頻度が低く、開催されてもすぐに満席になって締め切られてしまう状況だったため、代わりにCAE(現C1 Advanced)に初挑戦することにしました。運営団体は河合塾。また、初のPB受験となりました。

試験前準備

やったことはCPEのときと同様、公式サイトのサンプルテスト、YouTubeの公式動画(加えて非公式のスピーキング動画をちょろっと見たけどあまり役に立たなかったかな)、Success at Cambridge English: Advanced Writing(Success at Cambridge English: Proficiency Writingと同じ著者の同じような本)(買っただけでまともに読んだ記憶がありません)。

CPEのときと違い、問題集は買いませんでしたが、その分サンプルテストをしっかり分析しました。リーディングは全体的にCPEより語彙レベルも低く簡単なように思えますが、両者に共通の形式の問題に加えてCAEでは1つ多く大問があり、その問題形式も確実に正解しようとすると時間を多く使ってしまいがちなものなので、案外侮れません。この時にリーディングPart 8(CPEのPart 7と同形式)では各段落を読むたびに毎回全ての質問を読むという解答法を確立させました。リスニングではいつどれくらい設問・選択肢を読むべきかを吟味しました。具体的には、Part 1では先読み時間開始のアナウンスが無いため、ボーっとして貴重な時間をロスしないことが大切です。Part 2は、放送文中で解答に関係する情報が出てくる密度が低いので、先読みできていなくても聞きながら読む余裕があります。そのため、先読み時間中に読み終わらなくても焦る必要はありません。焦りはリスニングの一番の敵です。Part 3は読む量が多く、個人的に最難関のパートです。選択肢もすべて先読みするには時間が厳しいので、質問文を優先的に確認し、余った時間で最初の1、2問の選択肢を読んでおくのがちょうどいいと思いました。Part 4は特に何も意識しなくても大丈夫そうでした。設問が2つしかない上に選択肢が短く瞬時に意味を取りやすく、聞くことに集中しやすいからだと思われます。リスニングはCAEとCPEで問題形式がほぼ同じなため、これらの点はCPEにも当てはまります。

試験当日

河合塾実施ということで、キッズ受験者の割合が高かったです。高校生というより中学生?な人たちもいました。

各セクションの感想
・UoEは全問確信を持って即答できました。やはりCPEよりはかなり簡単ですね。とはいえ解答用紙に大文字で記入する作業でかなり時間をかけてしまいました。PBのつらいところ
・リーディングはCPEには無い形式のPart 7で手間取り、UoEと合わせた全体で時間ギリギリの戦いになりました。
・ライティングはPB受験で一番つらいセクション。普段手書きをしないため書くのが遅い上にすぐ手首が痛くなります。しかも、消しゴムで消せないペンを使用しないといけないため、既に書いた部分を後から修正することもほぼ不可能です。もっとも、消しゴムで消せたとしてもそんなことをしている時間的余裕はありません。(一応、一行おきに書くことで多少の修正余地を残しました) Part 1に半分を大きく超える時間を使ってしまい、Part 2はかなり急いで書いたつもりでも指定語数(220~260)よりも遥かに少ない150語未満(最後の数分間に書くことを諦めて数えました)でタイムアップ。Part 2で選んだお題は雑誌の編集長へのお手紙だったと思います。
・リスニングはライティングで消耗した後で不安でしたが、何とか最大6ミスぐらいの感触。逆に言えば残りの24問は確信を持って解答できました。CPEだと正解できる問題でもいまいち確信が持てないことが多いです。各受験者にヘッドホンが与えられていたCB受験とは違い、スピーカーでしたが特に問題はありませんでした。CBともう一つ違う点として、解答用紙に答えを記入する時間が最後に与えられますが、特にPart 2の解答の記入を手早く与えられた時間内にこなす自信が無いので、2回目の放送中等、余裕のあるところでできるだけ記入を済ませました。
・スピーキングはパートナーが中学生ぐらいの雰囲気で、Part 1のどうでもいい質問にペラペラと長い回答をしていて、幼い頃から仕込まれてきたんだろうなと思いました。この時点で帰りたくなりましたが、何とか最後まで参加しました。発言量は最小限でただ居ただけという感じになりましたが。

結果

PBは結果が出るまで時間がかかるのもつらいところ。結果が出たのは46日後でした。

3回目(CAE1回目)結果

リーディングは満点が取れてほっとしました。UoEは当然の結果。ライティングはやはり厳しかった。リスニングはまあまあ。スピーキングは意外に点数があってびっくり。

4回目 2022年11月 CPE

3回目のCPE。前回のCPEの結果で最大の不満点であったリスニングで結果を出したい。他に無かったのでジャスティーで申し込みました。

試験前準備

サンプルテストを解き直しました。といってもリーディングとUoEは何とかなるだろうと手を着けず、ライティングは1回目受験前と同様採点例の鑑賞のみ、スピーキングは問題を見るぐらいはしたと思います。それと公式のスピーキング動画を見直しました。1回目受験前に気付いていたかどうか定かではありませんが、CPEの公式スピーキング動画は実は2つありますね。

試験当日

会場は今までと同様に東京でしたが、引っ越していたため遠く、目覚まし時計を5時にセットしました。実際には4時台に目が覚め、そこから14時頃の試験終了まで長い闘いとなりました。

試験中に監督者がノートパソコンで作業をしていてタイピング音が邪魔でした。その他にも色々気になる点があったので、もうここで受けることは無いでしょう。

各セクションの感想
・リーディングとUoEは無難にできたように思います。
・ライティングPart 1では、各パッセージから引っ張ってくる2つずつのポイントを上手く特定できずグダグダな内容になってしまいました。時間もPart 1で半分を大幅に超過してしまい、Part 2は語数も内容も全然足りてないものになりましたが、リスニングに備えてあまり最後まで頑張りすぎないようにしました。Part 2では前回のCPEと同じく映画のレビューを書きました。
・リスニングは、絶対間違えたと思う問題は無かったものの、いまいち確信が持てない問題が多く、やはりCAEよりは難しい気がします。
・スピーキングは、リスニングまででやり切った感があったので、ただただ早く終わらせて帰りたいという思いが強かったです。発話量も少なく中学英語レベルの文法を間違えたりしてたような気もするので、本気でC1未満のスコアを覚悟しました。

結果

4回目(CPE3回目)結果

何よりリスニングで満点を取れたことが嬉しかったです。リーディングとUoEは満点で当然みたいな感じになってきました。ライティングはこんなものでしょうか。スピーキングはやはりかなり甘い採点ですね。


5回目 2023年6月 CAE

2回目のCAE。今更CAEを受けてどうするんだという感もありますが、何となく遠征したかったということもあり、初の東京以外での受験となりました。会場はUKPLUS Osakaです。

試験前準備

Success at Cambridge English: Advanced Writingを一通り読もうと思いつつ、つまみ読みする程度になってしまいました。

試験当日

前日は大阪のホテルに宿泊しました。会場まで徒歩1分。当日も連泊にしたため、スピーキング待ち時間中の居場所も確保できて準備は万端。前日に消化の悪いものを食べて飲酒もしてしまったことが悔やまれます。

今までの受験では進行は全て日本語でしたが、今回はほぼ英語でした。

各セクションの感想
・リーディング、UoEは時間ギリギリで焦った
・ライティングはこれまでの失敗を踏まえてPart 1を残り時間半分を切ったあたりで強引に終わらせたが、Part 2もいまいち
・リスニングPart 1と2は今までで一番余裕があり、全問確信を持って解答できた。Part 2の2回目の放送は完全に解答用紙記入タイム。Part 3と4はそれぞれ1、2問あやしい
・スピーキングは3人組で自分も含めて全員かなりレベルが低かった

結果

5回目(CAE2回目)結果

前回のCAEとほぼ同じ内訳で全く同じOverall ScoreでC2を逃していたためガクッときましたが、リスニングが満点で良かったです。リーディングは残念でした。やはり手書きのライティングは厳しい。

まとめと今後



・OAは毎回グレードB
・リーディングは高得点で安定
・UoEは毎回満点
・ライティングはPBだと点が落ちる
・リスニングは形式に慣れて高得点が取れるようになった
・スピーキングは毎回手応え以上に点数をくれる

CPEのリーディングとリスニングで満点を取れてとりあえずは満足しているのですが、次受けるとしたらCPEでグレードAを狙いたいです。


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