立ってる木を見ると

浅間明月記10   長倉奏拍

 【立ってる木を見ると】2023年8月9日
 

 10年近く前、或る経済団体の企画で秋田県の地熱発電所を視察
した。途中昼食会場の食堂前でバスを降りると目の前に鬱蒼とした
山林があった。「立ってる木を見ると所有者がどれだけ手間をかけ
ているかが分かる」、「子供も同じでね、だから立ってる木を見る
と書いて親というのだ」と同行した方が語られた。

 軽井沢の別荘地でも空地や使用されていない別荘の敷地は雑草や
雑木が茂っている。私の好きな野趣豊かなイングリッシュガーデン
や四季折々の顔を見せてくれる日本庭園は人手をかけて作り上げら
れたものである。雑木や宿り木の生命力・成長力は強いので数年間
敷地を放置すると大事な樹木を駆逐してしまう。

 我が家ではガーデニングは妻の担当で、私は隣地との境界エリア
と北側の土地の雑木の切断や雑草取りを担当している。雑木は可能
であれば根元から切断、既に成長したものは徹底的な枝切りをして
成長を抑止している。
 北側の土地は昨年は雑草取り(主に芝もどきやスギナ)を徹底し
た。抜き取った雑草の下から苔が見えてきたので来年はこれを育て
ようと考えた。冬には我が家は東京の戻り雑草は枯れてしまうので
一次休戦になる。今年は芝を傷めないように雑草取りではなく雑草
切りを続けている。
 気の長い話だが地上部分を切ることで雑草の成長力を減衰さよう
とする作戦である。これには科学的根拠は全くないのだが、昨年よ
り雑草の勢いが弱まったように感じている。
 数年がかりで芝筵ができればと考えている。まだまだ未完でが今
秋には青苔黄葉を楽しみたい。

「広がる苔を見るとーー」と言われる日が待ち遠しい。


参考 【草取物語】2023年6月4日

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