英雄物語とアナロジー。「薩長同盟」は?

今朝、5歳の息子が服を着替えながら「さっちょーどーめー、さっちょうーどーめー」ってリズムをつけて歌いだして、「薩長同盟ってなに?」って聞いてきた。

土曜日に、司馬遼太郎の「最後の将軍 徳川慶喜」のユーチューブの朗読を聞きなが家事をしていて、その言葉の断片を覚えていたらしい。

「昔の鹿児島と山口が、佐幕派に対して、天皇を擁護して、一緒に江戸幕府をたおそうねって約束したこと。」って答えたら、「幕府ってなに?」って聞いてきたから、「今の政府みたいなもの。政府って、警察とか軍とか国のパワーとルールを握ってるひとたち。」って話しをした。

話しをしたところで、司馬遼太郎の「龍馬がゆく」が大好きな私の頭には、ぽわーんと、壮大な英雄物語がうかんで、やっぱり坂本龍馬かっこいー、というところで、ふと思った。

はて、まてよ?政府ってのは今の官僚?政治家?昔江戸で今霞が関?戊辰戦争勝ち組(山口)の首相?

対する、薩長は、関ケ原の負け組の辺境藩。

はて、今でいうと? 戊辰戦争で負け組、福島会津? 原発設置県とか、これから廃棄物の永久貯蔵を検討してね、って言われてる、青森(六ケ所村)、和歌山(私は生まれは和歌山です)、徳島とか辺境貧乏県あたり?

などと、ぽわーんと、壮大な英雄物語の現代版アナロジーがうかんできた。

なるほど、みんながなんとなく知ってる英雄物語に構造を似せるのは、政治の世界では常套手段なんだなと思った。印象操作合戦。昔ながらの、天皇擁護側が勝ち。

戊辰戦争の負け組、もう一方の英雄新選組、会津はちょうど原発設置県にあたる。その英雄ストーリー、負けを覚悟で戦う図がぽわーんとかぶさってくる。さらにさらに、新選組と2.26の青年将校ってなんとなく似てない?自衛隊、市ヶ谷?ここで、市ヶ谷のお堀のハラハラ舞い散る桜が目に浮かんでくる・・。

VS 政府+官僚+東電 みたいな構図が、その上に、ぽわーんと浮かんでくる。

じゃあ、尊王攘夷の攘夷っていうと、今で言うと、米朝会談とか、でっかいイベントがあったばかりだし、米、朝、韓、中がつるんで日本をはみごにしてるから、そこらへん?っていうのがぽわーんって浮かんでくる。

危ない危ない、別に、そんな単純な構図で成り立ってないのに、勝手に私の頭が状況を単純化してアナロジーを作成し、英雄物語を想像しはじめる。

司馬遼太郎が好きな人、日本限定で、結構いる? 若いときに読んだらその影響力はすごいと思う。私は、高知に旅行に行って、坂本龍馬像と撮った写真をその後10年以上財布に大切に入れていたよ。

英雄性、陶酔性が高くて、しかも広く皆にいきわたっている物語って、とてもパワーが大きいと改めて感じた。西洋の人たちが聖書物語を共有していることって、本当にパワーが大きい。共通のアナロジーが作りやすくて、皆が同じようにぽわーん、と敵味方、善悪のイメージをかぶせやすい。おまけに、なんとなく、状況を単純化して、考えもせずに善悪をかぶせる。

でも、やっぱり坂本龍馬も勝海舟も西郷隆盛もかっこいいしなー。その妄想・空想・夢想はぽわーんって出てきちゃうんだよね。考えてるんじゃなく感じちゃうんだよね。論理的思考って本当はなかなかできない。

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