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おさかなの魂

我が家の息子は6歳。
趣味は魚を捌くこと。
家でのんびり過ごすのが大好きな息子は、幼稚園の預かり保育を楽しみながらも、早くお家に帰りたい、という気持ちを押し殺して頑張っている。という訳で、金曜日の夕方、一週間頑張ったご褒美に魚屋で魚を買ってもらうことを楽しみにしている。
馴染みの魚屋さんはいつも市場から直接仕入れてきているそうで、スーパーではあまり見ない魚介類を取り扱っていることも多い。
初めて食べる魚は家で捌いて、塩焼きにして味を確かめる。

先日は手頃な値段だった黒ソイを購入して、新聞紙とビニール袋に包まれた魚を大事そうに抱えながら自転車の後部シートに乗って帰宅した。
そして、自転車から降りる時におもむろに
「ねぇママ、お魚にも魂ってあるの?」と。

いきなりの深〜い質問に、母、思わずたじろいでしまった(笑)
ちょっと前に、魂の輪廻を思わせる絵本、えんとつ町のプペルを読んだことも関係していたのかもしれない。その時に、もし身体は動かなくなって「死んだ」という状態になったとしても、どんな命にも気持ちであったり、想いであったりが詰まった「魂」が宿っているって昔から考えられているんだよ、なんて話をしていたんだけれど…

その話をちゃんと覚えていたのだ。

私たちは食べなければ生きていけない。動物性であろうと植物性であろうと、他者の命を頂いて、自分の命を繋いでいる。

「そうだね。お魚にもちゃーんと魂はあるよ。だから、いつも命を捧げてくれたことに感謝して、大切にいただきます、って気持ちを込めて、ご飯の時は「いただきます」と「ごちそうさま」の挨拶しないとね。」

息子の心に刻まれているといいな、と思うと同時に、私自身も息子の発想に色んなことを気付かされた瞬間だった。

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