#毎週ショートショートnote #二重人格ごっこ

小学校五年生の時、三組で「二重人格ごっこ」という遊びが始まった。どんな遊びかというと、同級生のイノバタタケシという生徒を、クラス全員でタバタタケオという架空の人格として接するという、なかなか面倒なものだった。タケシをハズしたクラスラインをつくって、タバタタケオのキャラクターを練り、得意な科目や、嫌いな食べ物。少しおせっかいなくらい親切だけど、いざとなるとビビッて人のせいにしてしまうとか、うさぎ当番に命を懸けている、などかなり細かい人格設計を行った後、その人格に相応しい行動をさせるよう、「さすがタケッチだね」とか「そんなのタケッチらしくないな」とか全員で誘導していくのである。
 当初は戸惑っていたタケッチだったが、三学期にはかなりデザイン通りの言動をするようになって、みんなはある種の達成感を味わった。
 明日は五年三組の同窓会。久しぶりにあのクラスラインが動き始めた。タケッチはどんなタケッチになっているのだろう。

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