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読まなくてオッケー(20190622)

たまには当たり前のことでも書くか…

いろんな金持ちがいる

たとえば…。革命的な「製品」を作って人々の生活を一新させ、めちゃくちゃ儲かって富豪になった人がいる。で、それが、もはや人々の生活に欠かせないものになっちゃうと、その人ずっと富豪でいれちゃう。しかも、商売にかかわらず「何が広く社会をポジティブに変えることができるのか」を考える能力があるので、金が必要なくなってからは儲けに縛られず、世の中が良くなるように動く。たとえばそういう金持ちがいる。

あるいは、こういう金持ちもいるのも知っている。法の抜け穴や瞬間的に発生したチャンスを利用して、一過性な「取引」によって成金となったが、それをキープするために「機会」を発生させ続けなくてはいけない人。しかも特に社会に対して深い洞察も持っていないし多様な人生のあり方に対する想像力が欠如している。たとえばね。

この他にも世の中にはいろんなパターンの金持ちがいる。歴史上には、ありとあらゆる種類がいる。そして同じように、いろんな貧乏人もいる。いろんな人がいる。

金持ちの子は金持ち

いろんな人がいるのは分かっているが、それが強く「連鎖」することも知られている。金持ちの家に生まれると、チャンスが多い。金持ちになる確率が高い。これはデータで出ている。たとえば東大に入る学生の親の年収の平均値とか、そういうやつだ。

たとえば「家が貧しくても苦労して大成功するやつもいる」「金持ちのボンボンなんてどうせ甘やかされてバカになる」とかいうのは否定にならない。「日本の平均寿命は85です」というデータに、2歳でなくなる子もいるぞと言っても仕方ないのと同じだ。

「傾向」というのは、「極端な例外を除いて、おおまかにどんなことが関係あるか」ということだ。傾向として、金持ちとか貧乏は生まれた家でかなり決まりやすいのだ。誰の身の周りにそういう人が多いとか少ないとか、そういうことではない。国全体にそういう傾向がある。これが貧富の格差拡大とか固定化と呼ばれる問題を起こす。

チャンス

現状、貧乏な家に生まれただけで資本主義的なチャンスはすくない。それは一生の間に稼げるお金の総額とか、出世してどんなことができるか、とかいうチャンスの可能性だ。

厄介なのは、世の中の基本的な作りが資本主義なので、全然お金がないと、お金と関係ない全てのチャンスも閉ざされていってしまう。これは本当に悲しいので、例を書くことすら悲しい。

だけど

かしこい金持ちはいつも「金持ちじゃないたくさんの人たちができるだけ幸せになるようにしなくちゃ」と考えている。

金が儲かるというのは、家賃だろうが娯楽費だろうが、みんなが金を使うということから始まるからだ。「明日もこのまま生きていきたい」と思えて初めて、人はまともな消費行動をしていく。たくさんの人が「ふざけんじゃねえ全部ぶっこわす!」となると、社会は安定せず、金は儲からない。

かしこい金持ちは歴史を勉強する時間がたくさんあるので、社会の動乱についてもよく知っているのかもしれない。動乱というのは、戦争とか革命とか暴力的な運動とかで街がめちゃくちゃになることだ。全てが不安定になり、予測しにくいものになり、貨幣や金融財産の価値が変になっちゃうと金持ちは特に困る。だからかしこい金持ちはそんなことは望まない。

デモは予告である

また、金持ちじゃない人たちも動乱なんて望んでいない。だから「ふざけんじゃねえ全部ぶっこわす!」となる前に、「あと6レベルやばくなったらそういう状態になるから、もうちょい考えろ!」ということで、暴力の何段階も前に、デモをやったりストライキをやったりする。

感じた圧迫や生まれた怒りをそういうふうに表現できるのは、むしろ自分をコントロールできている人に見える。圧迫や怒りを感じないようにごまかしたり、我慢して次世代にツケがまわるよりも、健康なように僕は思う。

もちろん、「自分には圧迫や怒りが生じていないし、これからも自分には及ばない」と思う人もいるし、「圧迫や怒りを感じているが、誰かが良くしてくれるの待ちたい」という人もだろう。また逆に、「今は自分には関係ないけど、この方向で社会が進めばいずれ自分も危ない」と思う人もいるだろう。いろんな人がいる。

いずれにせよ

歴史を振り返れば、「人が集まって何か不満について騒ぐ」というのは、かなり効果をあげている。

人種や性別や年収に関係なく誰でも学校や選挙に行けるようになったとか、誰でも銀行を利用して貯金できるようになるとか、なりたい職業を誰でも目指せるとか、間違って逮捕された時に文句言えるとか、そういう、現在当たり前になってることも、最初は一部の人が集まって不満をぶつけて実現したことが多い。全てではないが。

さいごに

めちゃくちゃ金持ちな人を一人紹介しよう。ウォーレン・バフェットという名前で、去年の持ち金は8兆円とか、とにかくたくさんだ。60年前に買った家にずっと住んでて、2006年、4兆円寄付したりもしているらしい。

僕が知る限りこいつはかしこい気がする。そして、世の中が良くなるように色々考えてるような感じもする。そう思わせるのがこいつの作戦かもしれないが、実際に彼の寄付で、いろんなことが前に進んだ。

彼が書いたんだか言った言葉に、こういうのがある。

What we learn from history is that people don't learn from history.

「僕らは歴史から学べる。”人々は歴史から学ばない”ってことをな」

おわり!