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ファスト映画投稿者が逮捕~著作権は難しくない!

ファスト映画を投稿していたとして、投稿者が逮捕されました。
素人ながらコンテンツホルダーの会社で部に知的財産部に在籍していたので、個人的にはなかなか興味深いところです。

ファスト映画とは

ファスト映画とは、その名の通り「fast(すぐ)に分かる映画」です。ダイジェスト版というとわかりやすいでしょうか。
私は見たことがないのでニュースを読んだうえでの想像ですが、上映(もしくは配信)されている作品の要所をトリミング(ピックアップ)し、その間をナレーションで埋めてるのではないかと思います。
映画館の「NO MORE 映画泥棒」の動画もファスト映画を抑止するものかと思います。

なぜダメなのか

ダメな理由は以下があげられます。

1.他人の作品を盗撮している
2.他人の作品を勝手に編集している
3.他人の作品を無断でネットに公開している
4.他人の作品を使って広告収入を得ている

1.他人の作品を盗撮している
2007年に施行された「映画の盗撮の防止に関する法律」や「著作権法」に抵触します。
映画の盗撮の防止に関する法律(文化庁のサイトへ)
著作権法119条(e-GOVのサイトへ)

2.他人の作品を勝手に編集している
「著作者人格権」に抵触します。
要は、著作者の作品の品質を保っておらず、編集やコピーされたものも著作者の作品と混同されてしまうということです。
混同されることで「●●監督の作品は行間の思いがわかりづらい表現だ」といわれかねないのです。
著作権法 第二十条(同一性保持権)

3.他人の作品を無断でネットに公開している
無断でネットに公開することで、「公衆送信権」「送信可能化権」を侵害していることになります。
「公衆送信権」は、誰でも見られるところにデータを置いていることです。たとえばYouTubeなど。
ちなみに「誰でも見られるところではないところ」にデータを置くのは問題ありませんが、線引きが難しいような気がします。
また「送信可能化権」とは、ネットに作品が出回った場合、その作品に出演している人がネットに出回ることをOKとするかどうかということです。
著作権法 第第九十二条第二項(同一性保持権)

4.他人の作品を使って広告収入を得ている
自分で作っていないもので広告収入を得ることはまずいというのは、すぐにわかりますよね…?

素人に近い私が考えただけでも、これだけまずい理由があるわけです。

著作権は難しくない

「著作権」と聞くと難しいものに思えますが、実はそんなに難しいものではありません。
・自分の作品が切り取られていたら?
・自分の作品が誰かの手によってネットにあがっていたら?
・自分の作品を勝手に公開されることで、誰かが収入を得ていたら?
…想像しやすいですよね。そして、いい気持ちではありませんよね。
要は「他人の褌(ふんどし)で相撲を取られる」のを自分的にどうなのか?というと想像しやすいと思います。

著作権は難しいものではありません。
ぜひあなたも「自分がネットにあげているものは大丈夫かな?」と考えるきっかけのひとつにしていただけると嬉しいです。

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