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結婚式に纏わる話を聞いた二篇

結婚に纏わる話は全て幸せなエピソードとは限らない。中には何とも例えようのない奇妙なエピソードもあるようで‥。

詳細を書くと教えてくれた方に迷惑がかかるのでざっくりとした内容になります。

‥あるカップルがいた。A助君とB子さんとしておこう。

二人は大恋愛の末、結婚をする事にした。式場を決め、内容も二人で色々と考えながら結婚式と披露宴まで三日というところまで来て、二人は大喧嘩。別れる事となった。

都内の高級なホテルでの披露宴、当然キャンセル料もかかってくる。この時は、披露宴の費用を全額負担するという事だったらしい。かなりの出費になるのは想像に難くない。

慌てたのはA助くんとB子さんの両親。本人たちはもう結婚しないの一点張り。

かと言ってもう両家とも招待状も親戚縁者に出している。当然A助君とB子さんの友人にも出している。

そこで両家は話し合い、結婚式と披露宴はそのまま行う事にした。

親戚縁者と友人達には状況を話し、二人はもう別れているけれど結婚式と披露宴はしますと伝えた。

ついに迎えた結婚式当日。出席者は皆複雑な面持ちで参加した。当然新郎新婦の二人の間に流れる空気の悪いこと悪いこと。

それはまるで心のこもっていないお芝居の様だった。形式だけの結婚式、愛し合っていない新郎新婦に親戚のお祝いの言葉や、二人の友人からのスピーチ。新郎の挨拶やB子さんの母への手紙もあったが、A助君もB子さんも始終能面の様な無表情な顔だった。

‥形ばかりで内容の伴わない結婚式と披露宴。出席者は皆、複雑な心境のままお開きを迎えた。

とても居心地の悪い式だったという。


さてもう一つの話。


実名は挙げられないので、仮にF家としておこう。

F家には二人の子供(兄妹)がいた。二人も大人になり、妹が先に結婚する事となった。(嫁ぎ先は仮にG家とする。)

式場も決まり、招待客への招待状も全て送った。

結婚式まであと1週間を切った時、F家のお母さんの伯父が亡くなった。

当然ながら伯父にも招待状を送っている。伯父の子供達(お母さんにとっての従兄弟たち)にも送っている。

タイミングの悪い事に、告別式は結婚式当日と重なってしまった。

このままではF家の親類の席が空席になってしまう。F家は大慌てで、対策に追われた。

F家では急遽話し合って、両親の友人に代理で出てもらう事になった。

急なお願いなので、ご祝儀は無しで良いので出席だけして下さいと両親の友人に電話、皆驚きながら代理出席を快諾してくれた。(当然急なお願いなので席次表の名前は親戚の名前のまま。ドラマのまさに代役といった感じ)

G家には結婚式が終わるまで状況を伏せておく事にした。

‥結婚式は無事滞り無く済んだ。その後G家にも事の詳細を伝えた。G家はとても驚いていたが、そんな事もあるんだねぇ、と事実を受け入れてくれた。


‥そして数年後、F家の兄も結婚が決まった。
兄は、妹の結婚式の時は大変だったな。まさか俺の結婚式には誰も亡くなったりしないよな?

とF家の両親とG家に嫁いだ妹も交えて話していた。

‥そんな話しをしていたのがまずかったのか、今度はF家の父の伯母が亡くなった。

シチュエーションは妹の時と同じで、やはり親族の席が空席となってしまう。(伯母だけでなく、父の従兄弟たちにも招待状を送っている。)

告別式も前回と同じく、結婚式当日と重なる。

F家ではまた話し合った結果、両親の友人達へ連絡し、代理出席をお願いした。

友人達はまたか!?と驚きながらも出席を快諾してくれたという。

お嫁さんの実家(仮にH家とする)にはやはり結婚式が済むまで詳細は伏せておく事にした。

今回も無事滞り無く結婚式を済ませる事が出来た。H家にも事の詳細を伝えた。そして今回同じ事が起きたのは2回目だと言うことを伝えると、
とても驚いていたという。

F家の跡取りであるお兄さんの悩みは、もしかして自分の子供達が結婚するときも、身内の葬儀と結婚式がまた重なってしまうのでは?という事だ。

F家のジンクスとならなければ良いけど‥とF家のお兄さんは語った。


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