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囚人服は何故シマシマ?

ステレオタイプの「囚人」と言えばシマシマの服。これは何故なのか。調べてみた。

ヨーロッパでは古くから二色の糸を使い織る服「縞柄」を異端の象徴としていたそうです。

旧約聖書に「二種で織った衣服を身につけてはならない」との記述があるそうで、縞柄=悪魔の象徴との解釈が生まれたらしい。

横縞・縦縞ともに異端の象徴。(英語ではどっちもストライプ)

どんな人々が着ていたかと言うと、犯罪者・障害者・低級な職業に就いている者(下人・売春婦・道化師・死刑執行人など)

キリスト教から見て、異端な人々、異教徒なども含まれていました。

ヨーロッパの世界観からすると社会の秩序を乱す
反社会的な人々を排斥し、区別する柄だったようです。

やがて縞柄の服は、排斥から意味合いが拡大していき、排斥される対象とは自分達より劣っている者たち、劣っているなら自分達へ従属するべき存在が着る服の柄となっていきました。

君主(王侯貴族)に従属する立場の人々、宮廷の召使い・給仕係・軍人・下級役人などの服にも用いられるようになり、やがて囚人服にも使われるようになったとの事。(古い西洋画に出てくる縞柄の服を着ている人物は従属する立場・あるいは反社会的な人物・異端者などの象徴である事がある。)

シマシマのステレオタイプの囚人服のイメージは19世紀のアメリカの刑務所で使用されていたデザイン。(20世紀初頭には廃止されている。)が、古いアメリカ映画(刑務所のシーン)ではシマシマの囚人服が出てくるので、日本では、外国の刑務所の囚人=シマシマの服という印象が強い。

そんなシマシマの服ですが、ポジティブな意味もあり、「革新」や「反骨精神」や「斬新」なども象徴します。

16世紀辺りから縞模様を服飾や室内装飾に用いる事が流行し始め、18世紀後半(ロマン主義の台頭)で縞模様は大流行しました。

ドイツから始まり、イタリア〜フランス〜イギリスへ流行は広がり、特に上流階級の間で縞模様の服が大流行しました。(斬新さの象徴になった)
特に貴族の中で流行ったのが、黒+紫・緑+金色・黄色+茶色の組み合わせでしたが、

ドイツのランツクネヒト(悪名高い傭兵集団)か縞模様の服を着て暴れ回ったため、縞模様人気は一気に急下降、暫く縞模様の服は廃れました。(これは反社会的な象徴になってしまいました)

縞模様が再評価され出したのは18世紀末、ヨーロッパで革命が起きたあたりから。フランス革命やアメリカ独立などで、縞模様が自由、革新、反抗精神の象徴になってから。(フランスの国旗、三色のシマシマのトリコロールなど。アメリカ国旗も横縞ですね。)

もっとも、囚人服としての縞模様はネガティブなイメージですけどね。

軽い気持ちで調べていたら、かなり長くなってしました。縞模様、奥深いですね〜。

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