ノーマルコンプレックス

三納みなみです
ページを開いてくださってありがとうございます!

私は表題の通り、ノーマルコンプレックスです。
でした。

俳優を志して、18歳で上京。
演劇が大好きで、劇団を中心に舞台で活動していました!

座長がある日ポロッと言った。
「俺はノーマルコンプレックスだった」
驚いた。
劇団では座長は演出家だが
ワンシーン、印象的に俳優として出演する。
お稽古は若手劇団員が代役をしてシーンを作る。
公演直前で、座長がそこへ入る。
空気がガラッと変わる。
とにかく突飛、「そうきたか!」
場面が破綻する訳ではないが
他には真似できない特別なお芝居。

そんな俳優である座長が
ノーマルコンプレックス、、、!?

座長は、かつて状況劇場で役者をしていた。
そこから、
自分の劇団を旗揚げして
演出家になった。

状況劇場には怪優というか
個性の塊のような方々がたくさんいた。
特権的肉体と呼ばれるソレは、
他の人には真似できないような
個性的な表現であった

シンプルに
背が高かったり、とてもふくよかであったり
逆にカリッカリに痩せていたり
特別に美形であったり
眉毛が濃かったり
唇が大きかったり

もちろんそれだけじゃなくて、
個性が溢れ出すお芝居や表現に富んできた。

全て個性だ。


座長は、
たしかに
中肉中背、顔の形も一般的(特別に美男ではないが整ったお顔立ち)

その場に立っているだけでは、印象に残りにくい、、、かったのかもしれない。(実際見てないから推測だけど)


私は、東京にでて
こんなに美人がいっぱいいるとはと、びっくりしたし。
役者志望の女性は、幼い頃からダンス・バレエを習っていたり
歌がうまかったり
英語が堪能だったり
スタイルが良かったり
既に声優や俳優として子役から活躍していたり
何か特技がある人に溢れていて
本当に驚いた。

「私には何の取り柄もない、なんて普通なんだ私は。何て個性がないんだ」
と愕然とした。

「やる気だけは誰にも負けません」
その言葉通りだった。
役者になりたい!その想いのみだった。

何か、特技が欲しい。
個性が欲しい。

日舞、殺陣、アクション、ボーカルレッスン、タップダンス、アコーディオン
色々習ってみたけど、なんかパッとしない。

そんな中で出会ったのが落語だった。
落語は習っていない。見る専門だった。
ただのファン。
ただ好き。それだけだった。
聴き漁って、見まくっている内に
自分の好みが分かってきた。
欲も出てきた「もっとこうしたら面白いのに」

「私もやってみたい」

それから約5年

先日、面接である方に言われた

「あなたが落語をやってると聞いたから会ったんだよ。そういう個性が大切だと思ったから」

他にも候補者がいる中で、面接してもらえたのは私だけだった。
落語という個性が決め手だった。

落語が私の個性になっていた。いつの間にか。
すごい!私に個性が出来た!人から言われて気付いた、とても嬉しかった。

「やってみよう!」ってすごく大事だと実感した。

ただ好き。って気持ちを大切にしよう。
誰かにやれと言われるんじゃなくて、
やってみよう、と思ったこと。
下手っぴでも、
周りに馬鹿にされようと
自分がやりたいと思ったことをやろう。

コツコツでも続けていれば
いつか認めてもらえる。それが自分だと
私の個性として認めてもらえる。


続けていてよかった。
そう思えたので
ノートに記します。










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