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だいすきな人がやっているだいすきなお店の話。

「お店、始めることにしたんよ」

まだ、学生だったとき
親世代のひとが自分のお店を開くって、
結構衝撃で
大人ってすきなことをこんな形で実現できるんだ
って、将来の希望になったことを憶えている。

すきなものが似ている友人に
「いつか連れて行きたい雑貨屋さんがあってね、」
と話していた、ちょうど、そのときのこと。
「閉店することにしました」
の、メール。

愛は熱いうちに伝えろ
とは、よく言ったもので

開店前の店内を見せて貰えてわくわくしたこと、
唯一開店を知っていた母が
オープンを見届けられず悔しかったこと、
代わりに私が見届けたこと、
一緒に行った友人の
お気に入りのお店になっていたのを知ったこと。

色々思い出して、長文の返信を作成しながら
気が付いたらボロボロ泣いていた。

熱いうちに愛を伝えられることって
生きていてあんまりなくって、
「私は熱いうちに愛を伝えることができた!」
と言いふらしたくなったし(現にこれがそう)、
きっとこれからも、
これをいっぱいやっていったほうが良いと思った。

数日後、浸水の被害で汚れてしまった商品を破格で販売する、最後の「あつあつワクワク市」を
開催すると知り、
急遽友人との約束の予定から
行き先を変更してもらい、
文字通り、飛んで行った。

破格どころかほぼおすそ分けみたいなもので、
わざわざ連絡をくれたこととか、
営業日をお知らせするツイートへの
閉店を惜しむ声とか、
それに対する返信メッセージとか、
直接会って話すことのあたたかさとか。
店内の居心地の良さや
素敵な雑貨のディスプレイはもちろん
あの素敵な夫婦の人柄で、
お店のファンがいっぱいいたのだと思う。

私は、あんなおばちゃんになりたい。

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