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影響を受けた本

自分の中で面白いの基準というか、好きなお笑いの方向性を決定付けた本が2冊あります。

まず1冊目が、松本人志さん著の「遺書」です。
言わずもがなダウンタウンの松本さんの初の著書で、エッセイ集となります。

中学生の頃にダウンタウンにハマり、ビデオだったり本だったりを限られたお金の中で色々と集めていましたが、その収集のきっかけになったものでした。

それまでマンガ以外で活字に触れる機会がほぼ無かった自分にとっては、エッセイという形は非常に読みやすく、更には内容も普段気にもかけていなかった日常の理不尽を、諦める事も、解決する訳でもなく、ただただ文句を言うというスタイルは、多感な時期において「民衆を導く自由の女神」のような立ち位置に松本人志を押し上げました。

人格形成の大事な時期に読んでしまった事もあり、「何でもかんでも面白いか面白くないかで判断してしまう」というネジ曲がった考えも、この本を拡大解釈してしまった故でしょう。まさしく有害図書ですね。


そして2冊目が、松本ハウス著「松本ハウス未来を語る」です。
奇しくも松本繋がりですが、こちらはコンビ名です。
今は懐かしいボキャブラ天国で、活躍していたコンビです。

松本ハウスのボケ担当のハウス加賀谷さんは、坊主頭で白いブラウスと紫のパンタロンという衣装で破茶滅茶なテンションでバカ丸出しなキャラ、ツッコミ担当のキック松本さんは、ドS全開で、ツッコミ方法をキックにすることもしばしば。そんなボキャブラフィーバーに乗った彼らの書籍です。

本の内容としては、その時期に話題になっていた近い将来に起こりうる科学や開発のような事象に対して、二人が私見を述べたものを活字にしたものです。
正直、本の中身はさして覚えていないくらい、ほぼノーマルな会話が繰り広げられていますが、着目すべきは「注釈」です。
ページ下5分の1くらいのスペースに、本文の注釈があるのはよくあるのですが、この本は、無理矢理かつ無意味かつ叙情的な注釈がびっしりと書かれており、そこが本書のミソとなっています。(多分)

例えば、「ボロボロ」という単語にわざわざ"ボロ"と"ボロ"に下線を引いて「※1 BORO 関西出身のシンガー。」「※2 ボロ 『燃えよドラゴン』に出てくる敵。ハンの部下。」というような、何のためにもならない注釈に大笑いしたものです。

この著書により、王道でポップな笑いよりもニッチでマニアックな笑いこそが至高。という、ネジ曲がった思考になりました。至高だけに。これも有害図書ですね。


それからも色んな芸人さんの著書を読んできましたが、いつも頭の片隅には、この2冊がチラついている所を見ると、よほど影響されたのだなぁ~と、我ながら気持ち悪いです。

にしても、映像ではなく本からの影響のほうが根強く残ってるというのも、何か嬉しい感じではあります。

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