舞台 呪術廻戦(ネタバレあり感想)
舞台 呪術廻戦のネタバレが含まれる感想記事になります。
未見の方はご注意ください。
※なお感想のなかにほんの少しだけ本誌情報(単行本化前情報)が含まれますが、知らなくても読むのに問題はないレベルです。
あんまりネタバレでもないですが、気にする方はご注意ください。
最初に
まず私がどういう種類の人間か書いておくと、
いわゆる2.5次元は、ほとんど見たことない(少なくとも有名どころのテニミュもとうらぶも見たことない)
2.5以外のミュージカルはたまに見る(四季、宝塚、東宝などの大手中心)
歌のない舞台も、ミュージカルより頻度は落ちるけどたまに見る
原作は本誌で全部読んでる。推しは両面宿儺。
ちなみに今作のパンフは買ってません(並ぶの諦めた)
な感じです。参考までに。
先に書きますが、結果的にかなりの分量をdisりに費やしています。
のでアンチみたいに見えるかもしれませんが、総合的な評価としては良い悪いが50:50くらいになります。
もしかしたら初演時とは演出とか演技とか変えられてるかもしれませんが、そこら辺はご了承を。
簡単な総評
ツイッターに上げた通り、良かったところとダメだったところが明確に割れてる印象です。
何もかも駄目ではないし、虚無でもないし、楽しめる人は普通に楽しめると思うけど、食い合わせの悪い要素同士を混ぜすぎという感じ。
歌
まず悪いところから行くと、今作の最大かつ致命的な欠点がこれだと思います。歌。
・ストプレかミュージカルか
前提として、今作はミュージカルではなく「舞台」と銘打たれており、もちろんミュージカルも舞台演劇には違いないんですが、2.5のお作法的に「舞台」と言われたら基本はストレートプレイ(以下ストプレ、歌わない劇のこと)を指すんだろうと思うんですね。
なので、事前にこんなに歌うなんて思わなかった人が大半だと思います。私も開演後に見た人の感想で知りました。
ただ一応補述しておくと、ミュージカルと銘打たれていなくても、ストレートプレイとされていても、歌が入るものは中にはあります。
私はあんまりそういう作品に当たったことはないんですけど、所詮は人間がつくるものを便宜的にジャンル分けしてるだけなので「絶対こうじゃなきゃいけない」と決まってるわけじゃなく、定義はけっこう曖昧だったり劇団や主催団体にもよるのかなと。
以下のサイトさんは劇団四季の場合に特化した話だと思いますが、参考として紹介させていただきます。
参考:ストレートプレイとミュージカルの違い 劇団四季に当てはめて解説
ただ今作の場合、ミュージカルではないにしろ音楽劇だろうと言えるくらいには歌の割合が多く、かつ作品の性質上ふだんあまり観劇しないお客さんも多いだろうことを考えると、知らなかった人はまあ面食らうと思います。
これを2.5次元という媒体のなかで、2.5を観る層向けに、注釈なくストプレと売り出していいのかには議論の余地があるのかもしれませんが、私はそこにはあまり触れません。
単純に、私自身があんまりミュージカルの定義や2.5の文化に詳しくないので。
ただ個人的には、今作はミュージカル並みの頻度と分量で歌が挟まるものの、あんまり"ミュージカル的"ではないな、と思いました。これは理由は後述します。
そして、ストプレやミュージカルの定義にこだわらないのであれば何をもって歌を「致命的な欠点」呼ばわりしているのかというと、
一言で言うと「たくさんある歌の大半が引き込まれるよりはむしろ邪魔で、特に戦闘シーンではせっかくの勢いを殺してしまっている」のが1番良くなかったな、と。
・歌が戦闘の勢いを殺している
今作、戦闘シーン(殺陣)の演出や迫力、テンポが個人的にかなり高評価なんですが、だからこそ、その途中に歌を入れられると邪魔にしかなってないなと感じてしまいました。
たとえば序盤、虎杖が宿儺の指を飲むシーン。
ここが最初の盛り上げどころなんですが、その盛り上げを虎杖の歌で出そうとしているんですよね。
宿儺の力を手に入れた虎杖の反撃が期待されるシーンで、いきなり虎杖の決意みたいなのを歌い出すので、正直ついていけなくなる。それ今じゃなきゃ駄目?みたいな。
歌うと基本的に話のスピードは落ちます。
(ライオンキングのハクナマタタみたいな時間経過を兼ねるやつは除く)
もちろん戦闘を歌で盛り上げることはおおいに可能だとは思うんですが、それはあくまでミュージカルとしてのバランスを考えて作られていればの話であって、今の今までストプレに則った殺陣やっていたのに、その流れを殺してまでキャラソンみたいなもの(キャラソンみたいなものとしか言いようがない)を入れる必要ってあるのかな、と思ってしまいました。
なんていうか、歌が場面に馴染んでなくて、流れぶった斬って途中でカラオケに呼ばれたから歌いに行く感じなんだよな。
スピード感ある体術でやりあってからの、領域展開の時にキャラソン!とかならまだ、違和感少なかったのかもしれない。
(でもなんかそれだとパチンコの確定演出っぽくないか?とかパチンコやったことないにも関わらず一瞬ゴミのような思考が頭をよぎったのはどう考えても秤のせい)
二幕の順平〜真人戦までほぼほぼ戦いのたびに何かしら歌が入るので(五条vs漏瑚はどうだっけ、歌ってないかも)、
正直、歌がかかる度にうわぁここで歌か……とすごく残念な気分になってましたね。
・歌にすることで何が言いたいのかわかりづらくなっている
それ以外にも、歌にしたことでわかりづらくなってないかなという問題が。
たとえば、原作の台詞ほとんどそのままに曲をつけているパターン。
シナリオ(歌詞)に曲をつけるというやり方はミュージカルと変わらないのかもしれませんが、あまりにも原作の台詞に曲を合わせただけのようなものを客席にそのままうっちゃってるせいで、逆に何が言いたいのかよくわからなくなってたと思います。
なんで順平はスイッチがどうのボタンがどうのとか言っているのか?つまりコイツはどんな気持ちになっていて、何が言いたいのか?
キャラクターの心理的背景を歌で説明しようとしてるんだと思うんですけど、正直、呪術の理屈っぽい心情説明を、歌詞を聞き逃しやすい歌という媒体で説明するのが難易度高いんじゃないかな?と。
ミュージカル的にやるんであれば、歌詞はもっとわかりやすく、言いたいことの要点を抑えて、原作知らない(あるいはうろ覚えの)客の頭にも入りやすいように、意識して弄らなきゃいけなかったんじゃないかな、と。
同じようなことが言えるのが、虎杖に宿儺の指の設定を説明する五条のラップなんですけど。
あの、聞きたいんですが、まったく初見のラップ調の歌を聞いて、歌詞の内容をいきなりぜんぶ理解できる人って、一体どれくらいいるんだろう?という話で。
「宿儺には虎杖が飲んだもの以外にも指があり、そのうちの一本が高専が保有してるコレ。虎杖は宿儺の指を飲んで宿儺の器となったので処刑対象となったが、どうせなら指をぜんぶ取り込ませてから殺そうという運びになった。虎杖には今すぐ死ぬか、指を全て取り込んでから死ぬかの選択しかない」
という、まあまあ込み入った、かつ重い話をお客に理解させなきゃいけないのに、わざわざそこになんで歌を使うんだ???という。
私は原作読んでるから全部「はいはいあそこね」で理解できるんですが、いちいち原作の記憶を参照しなければいけなかったので、つまり舞台上で表現できてたのかな。できてなかったんじゃないかな、と。
・曲自体も弱い
そんな感じでストプレとして見ると歌要素が邪魔なんですが、じゃあミュージカルとして見るとどうかというと、一言でいえば歌の強さが力不足だな、と。
ミュージカルにするってことはつまり、「歌の良さでも勝負しなきゃいけない」土俵に上がるってことです。
ミュージカルの場合、歌が弱いと普通に作品自体の戦闘力が減ります。逆に良い歌や有名になった歌を持ってるミュージカルはめちゃくちゃ強い。
前に書いたように、私自身は2.5を観劇した経験が少ないので例が出せず申し訳ないんですが、例えばテニミュや刀ミュでも、ファンの人は気に入ってCD買ったりituneで買ったり、あるいはカラオケで歌いたくなる曲があるんじゃないかなと思います。
じゅじゅステにそういう"強い歌"があったかなというと、個人的には無いなと。
だからこそ(歌をメインにする意図がないからこそ)、ミュージカルではなくストプレとして売り出したのかもしれませんが、なのに歌を入れたことによって良さを殺してるな、というのが正直なところでした。
・ミュージカル的ではない
あとこれは「だから駄目」って話ではないんですが、「これはミュージカルではないのか」と言われていたことへの私なりの解答として、「歌の頻度は高いけどミュージカルっぽさがあんまりないな」というのがあります。
なんでそう感じたのかと考えてみると、
これは詳しく例とか出して語るとめちゃくちゃ長くなりそうなんで割愛しますが、
「歌のなかで登場人物の心情が変化したり、状況が動いたことがわかる」
「歌によってその人物の感情がダイレクトに伝わる」
「歌ってるうちに長い時間が経過する」
「複数の人物の思惑が交錯する混声合唱」
等々の、
ミュージカルが歌を歌う意義というか、強みというか、そういうものを感じさせてくれる歌がほとんど無いんですよね。だからかなと。
これはあくまで現時点の私が思う「ミュージカルっぽさ」であって、もっと知見を深めれば、いやいやあんなのもある、こんなのもある、だからじゅじゅステが悪いという道理はない、となるのかもしれないし、あるいは私よりもっとミュージカルに詳しい人からすると「いや、ミュージカルっていうのはそういうものではなくて」となるかもしれないんですが、少なくとも今の私が好きな「ミュージカルらしさ」は無かったな、となります。
基本的には今作、ほとんどの曲は1人のキャラが「そのキャラの紹介ソング、あるいは原作台詞をもとにした歌」を歌っているだけで、要するに「なんで歌うの?」となりやすいんだと思うんですね。
たぶん、ミュージカルに馴染みがない人であればなおさら。
キャッツじゃないんだから自己紹介してるだけで楽しくするのは難易度高いよ、という話で。
唯一ちょっとミュージカル的かなと思ったのは、真人が順平に人を殺していいと唆す歌くらいですかね…。
あれも原作台詞を繰り返してるだけなのかもしれませんが、ちょっとエリザベートの闇広っぽくてよかった。デュエットはしてなかったけど。
演出兼作詞作曲の方を観ると、ミュージカルの演出経験は普通にあるようなんですよね。
なのになんでこんな"ミュージカルエアプが考えるミュージカル"みたいなんだ?と思ってしまったんだよな。
私がこの方の他の作品見たことないのでなんとも言えないのですが、もしかしたら普段からミュージカル作品でもそういう感じの歌の作り方をする人なのかもしれない。
それはそれでいいと思います。
前に書いたように、ミュージカルは絶対にこう!ストプレはこう!みたいな決まりがあるわけじゃないので。単に私の趣味とか需要と合わなかっただけ。
あるいはこの方のつくる歌と、呪術というかシリアスなシナリオとかとの食い合わせの問題なのかもしれない。
とにかく、私が上で散々disってる歌については、あくまで「今作を見た限り」の感想と認識していただければと思います。
わかりにくかった部分とわかりやすかった部分
わかりにくかった箇所のほとんどは先に書いた「歌を入れたことによるわかりづらさ」と被るんですが、他をあげるなら、たとえば宿儺が虎杖の心臓をポイするシーン。
これは「虎杖の人格が戻ってくれば宿儺は引っ込めることができるが、虎杖は死ぬ(宿儺を止めるためには、虎杖は死を覚悟して戻ってくる必要がある)」状況になったということなんですが、ここも状況説明が足りてないまま戦ってるように感じました。
序盤は全体的に飛ばし気味な感があり、この処理の仕方でみんな話についていけてるのかな…みたいなところがありましたね。
反面、映像でキャラクターの名前や技名を出す演出はわかりやすいし良かったと思います。
また、ナナミン辺りがやってた、歌を使わない、映像とか小道具のみ使用した術式の設定の説明とかはわかりやすかったので、本当にずっとこの感じで設定説明してくれればよかったんだけどな、という。
本作、「やればできるのに何でずっとこの感じで通してくれなかったんだ!?」という箇所が多かった。
そんな感じで、わかりやすくしたいのか、それともわかりやすさとか考慮にいれてないのか、いまいちわからない感じでした。
ギャグ
前評判だと歌よりもギャグが叩かれてる感じですが、実はギャグやってる尺自体って、そんなに長くはないんじゃないかなと。
まあオリジナルギャグがクドいというか、しつこいよっていう箇所はまあまああったんですが、個人的には許容範囲でした。少なくとも歌よりは。これだけなら気にならなかったかもしれない。
がっつりしたオリジナルギャグより、やり取りの合間にちょっと挟む小ボケの方が好きでしたね。ああいう舞台って感じのやつは入れてくれても気にならないんですが。
あと一点思ったのが、もしかして原作のギャグとか小ネタを丁寧に拾いすぎなのかなって。
たとえば、少年院で帰り道が塞がれるシーン。
あわてた釘崎と虎杖が伏黒の後ろでどうしよう音頭してるのは原作通りなんですが、原作通りすぎるんですよね。
漫画だと読み流せても、舞台ではっきりしっかりやられるとなんだ急にどうしたって感じになる
(その前とか他にも似たようなこと思ったシーンがあるはずなんですが、ど忘れしました)
なのでオリジナルのボケと思われてるなかに実は何割か原作ネタも入ってそうだな、とちょっと思うんですが、ただ、もしそうだったとしても、それって別に文句言ってる人が原作をちゃんと読んでないわけじゃなくて、漫画だと違和感なく読み流せる箇所を舞台でちゃんとやると違和感があるってことなのかな、と。
本作、別にシリアスな雰囲気のシーンが苦手なわけじゃなくて、むしろかなり得意なんじゃないかと感じたんですが、だからこそギャグ入れたがりの性質と真っ向から喧嘩になった感じ。
映像演出
映像(プロジェクションマッピング等)、美術、照明、周りの演出。非常によかったです。ここら辺にはほぼほぼ文句がないですね。場面転換もスムーズだったと思います。
台詞表示の演出は合う部分と合わない部分がありましたが、キャラクター名や技名を表示するのは好きでした。
ただ、アニメーションの使い方について一部「これアニメで表現しなくても、アナログでできないかな」という部分があったのだけ残念でした。
もしかしたら後ろのお客さんにも見やすいようにかもしれませんが、三枚おろし(少年院に現れ、宿儺に倒された特級)や漏瑚がやられるシーンはアニメにしなくてもできたんじゃないかなとは思いましたね。それくらい。
終盤
こんな感じであんまりノリきれてなかった私ですが手放しに褒められる箇所があり、そのうちのひとつが終盤の順平戦〜虎杖vs真人戦〜フィナーレの流れです。
順平戦も真人戦も歌がないんですが、いや、本当によかった。特に真人戦。しっかり体術廻戦してたし、演出も決まってた。
そのあとのフィナーレのまとめ方も好きですね。
最後みんなでうろうろ出てくるところとか……舞台慣れしてない人がどう感じるのかはわからないんですが、ありがちなのかもしれませんが、まあ良かったです。やや冗長なところはありつつ、虎杖悠仁の物語のはじまりとしてラストはしっかり決まってたなと。
これがあったのでカテコで惜しみなく拍手するモチベと、エンドロールで手拍子するモチベを保てた…。よかった。
なんでこれが他で出来なかったんだ!?!?と、打ち切り間際に神回を繰り出してきた新連載を眺める目で見てました。
伏黒vs宿儺戦、五条vs漏瑚戦、ナナミンの戦闘とかも、ちょいちょいおーいなところはありつつ歌以外は悪くはなかったんですが、いや、まじでこの作品の場合、戦闘に歌いらなかったな!(あくまで個人の意見です)
キャラクター
キャラクターが解釈違いって意見もよく見るんですが、個人的にはそこはそこまで気にならなかったかな……。
「自分の苗字を嫌ってる真希さんが歌で禪院真希を連呼するのは違和感ある」って意見は見かけて、それは確かに、と思ったくらい。
虎杖が解釈違いって意見もありましたが、そんなに感じなかったですね。
他のキャラクターもまあ、ちょっと原作とイメージ違うなという部分があるキャラもいましたが、許容範囲内。
私があんまりキャラクター解釈に主軸置いて原作を読んでないからかもしれませんが。
全体的にキャストとか演技は良かったと思います。女性陣の演技が、芥見下々の描く女を三次元に完全再現!って感じで好きでした。真人も気持ち悪くてよかった(褒めてる)。あと伊地知さんがずっと可愛かった。ナナミンも良かった。
そして何より宿儺ですよ。
宿儺様かっこよくなかったですか!?!?!?なんかずっと格好良かったな。うちわ振りたかった。
歌わないからかな。歌わないからかも。ちょっと歌ってほしかった気もする。
カテコ
フィナーレからそのままカテコの流れは好きです。
あと帳を下ろして終わりにするのが良かったです。
そして、お気づきでしたでしょうか。
カテコですらニコリともせず、手も振らず、ひたすらダルそうにしていた両面宿儺に。
本当にぜんぜんファンサしてなくてやっべぇ宿儺様だ、好き………って感じでしたね。
ここからはまとめになります。
原作の取り入れ方
演出、脚本は原作読んでないのでは?みたいな批判を見かけました。
もちろんそんなわけないのですが馬鹿正直に検討すると、
・上述したように原作のギャグや小ネタを丁寧に拾っ(ちゃって)る箇所がある
のに加えて、
・原作の印象に残る(あるいは話題になった)セリフはかなり拾って印象的に使おうとはしてる
と思うんですよね。
たとえば虎杖がおじいちゃんに言われた「人に囲まれて死ね」。ちょっとクドイくらいに繰り返されますが、「正しい死に方」をしろという概念に虎杖がある種、呪われているという示唆をすること自体は納得感がある。
あるいは伏黒の「不平等に人を助ける」とか、順平の「好きの嫌いは無関心なんて言った人は〜」とか、野薔薇の「顔覚えたからな」は半ば無理矢理にねじ込んでいたし。
虎杖が順平に人を殺さない理由を言うシーンはけっこうよかったと思います。
あとは「内一名死亡」とか「黒い服を持っていなかったので」とか、原作の印象的なナレーションやモノローグも効果的に使っていて、むしろかなり原作は読んでるんじゃないかなと。
今回そこまで行かなかったけど、もし京都校が出てきてたら野薔薇の「毛穴開いてんぞ」は確実に入れてきたでしょうね
(あとたぶん東堂と高田ちゃんの下りとか版権が許せば青春アミーゴをがっつりやったと思う)
じゃあなんで呪術廻戦っぽくないのかといえば散々書いたように、ギャグと歌とそれ以外の噛み合わせが不協和音だからじゃないかな。
あと、少なくともアニメの方向性とは違うのでそれもあるかも。
かつ、言い方悪いですが「ただ拾うだけ」で、流れとしてみると、どういう理屈でそのセリフが発されてるのか、文脈のなかでの台詞の意義が分かりづらくはなってたかもしれないと思います。
まとめ:良かった点、悪かった点
良かった点
・美術、映像、照明まわりの演出
・殺陣
・シリアスなシーンの演出
・キャストの演技
・順平戦〜虎杖vs真人戦〜フィナーレの流れ
悪かった点
・歌(演者の歌唱力以外)
・一部のギャグ
・話や設定説明のわかりづらさ
私だけかもしれませんが、舞台見る時ってどうしても全体の調和が気になるので、その意味で言えば「歌」と「シリアスなストーリー」の二大要素が喧嘩してたと感じた今作はう〜んとなりがちでした。
「一部はすごくいいけど全体としては駄目」も「非常に良い点があるのに惜しい」も、私のなかでは評価としてはなんか違うんですよね。ひたすらシリアスとキャラソンとおふざけ辺りが主導権を奪い合っていた。
ただ最初にも書きましたが、最終的な実感はフィフティフィフティぐらいです。
悪かった部分は批判するからには「何故ここを悪く感じたのか」なるべく丁寧に説明したいというところがあり、結果的に褒めと貶しの分量は釣り合ってないかもしれませんが、まったく駄作というわけではなかったとだけ一応、補足させてください……。正直真人戦だけでもまあ、観てよかったなとなりました。
※なお
持病の観劇後の緊張型頭痛に耐えながらほぼぶっつづけ4時間くらい費やして書いたので、あとで文章修正とか追記とかするかもしれませんが、とりあえずこんな感じで!
2021.07.24 新規