TRPG「闇鍋」を楽しもう!

 このNoteでは主にカードゲーム、マジック・ザ・ギャザリングについてを書いていますが、ちょっとアクセス履歴を見てみたら、先のTRPGステラナイツに関する記事にかなりのアクセスが。というのも、Googleで「ステラナイツ」で検索すると、この記事が公式の次に出ちゃうのですね。キーワードシステムを搭載した闇のステラナイツ。流行ってしまうんでしょうか。ちなみに、実際に闇のステラナイツのログを読みたい方は【ここ】を右クリックして保存してください。

 TRPGとは自由な世界です。ドラゴンクエストでスライムに出会ったら「たたかう」「まほう」「どうぐ」「にげる」以外の選択肢がありませんが、TRPGの場合「和解できないか話す」「罠に追い込む」など、プレイヤーの発想次第でありとあらゆる行動が取れます。また、それを誘導し、適切なバランス感覚で判断するのがゲームマスターです。良いゲームマスターに、良いプレイヤーが揃った時、TRPGは、ゲームを遊びながら大勢で物語を作り上げるという、最高に楽しい時間を供給してくれるのです。イメージのしにくい人は、昨今アニメ化された、ゴブリンスレイヤーを想像すると良いでしょう。あの行動は、まさしくTRPGの行動であり、原作でもTRPGの元祖でもあるD&Dへのリスペクトが感じられます。

 そんなTRPGには、様々なシステムがあります。システムによって違うのは、まずゲームとしての判定方法。6面ダイスを2個だけ使うもの、数十個の6面ダイスを使うもの、同様に、10面ダイス20面ダイスを使うものもあれば、100面ダイスを1個だけ振るシステムもあります。ダイスの種類だけでこれだけ違うのですから、詳細なルールの違いなど、ここでは語りきれないことが想像できるでしょう。さらに、システムによって世界観が異なります。ドラゴンクエストやゴブリンスレイヤーなどのハイファンタジー、とある魔術の禁書目録やFateなどの現代伝奇物、ガンダムやエヴァンゲリオンなどのロボットSF物、動画などで有名でみなさんがTRPGとして真っ先に思いつくかもしれないクトゥルフ神話TRPGは、その名の通りクトゥルフ神話の世界。マニアックなところでは、時代劇をモチーフにしたものなんてのもあります。

 これらは基本的に交わることのない世界です。今日はクトゥルフで遊ぼうね!と言ったら全員クトゥルフのルールブックでキャラクターを作り、クトゥルフの世界観の中で冒険を行います。健気な一般人でしかないプレイヤーキャラクターが、邪神相手に漁船で特攻しようとしている所に、マジンガーZがブレストファイアーを浴びせたり、プリキュアがマーブルスクリューを打ち込み浄化しようとしても困るわけです。まぁそんな困ることが出来てしまう、なんでもありなカオスフレアというシステムもあったりするのですが、それは置いておきましょう。

 今回この記事の中で紹介するのは、最近私がやりはじめ、当TRPGコミュニティで人気になっている「闇鍋」というシステムです。これはオリジナルのシステムであり、ルールブックは市販もされていなければ、テキストやPDFデータでも存在しません。現状私の頭の中にしかありません。ですが、1つでもTRPGシステムのルールブックを持っていて、そのシステムのルールを把握していれば、みなさんはキャラクターメイキングが行えますし、実際に遊ぶことができます。そう、闇鍋とは、まさしくその名の通り。あらゆるTRPGシステムをごちゃ混ぜにし、世界観だけでなく、それぞれの判定ルールまでそのままに、これをGMのさじ加減でバランスを取り、まともなゲームとして楽しませてしまうという、まさしくTRPG超上級者の遊びなのです!

闇鍋のセッションは、以下のような形で進行します。

1:オープンニング
2:前半パート
3:中ボスとの戦闘
4:後半パート
5:ラスボスとの戦闘
6:エンディング

 TRPGを遊んだことがある人なら、ほぼお馴染みの形です。もしかするとセッション時間によっては、中ボスとの戦闘がなく、戦闘が1回のセッションもあるでしょうが、闇鍋では中ボス戦は必須です。だって全員ルールわからないし、どう自分のスキルが作用するか知らないもん。

 また、一部のシステムは、他のシステムにまで影響を与えるルールを持ちます。例えば、カオスフレアやステラナイツでは、良いロールプレイをすることで、戦闘で使用できるリソースになるカードを投げ合うことができるため、これらのシステムを使うプレイヤーが居た場合、すべてのプレイヤーにこのルールの一部が適用されます。

 問題は、数多ある判定ルールや、システム毎のHPの高さ、ダメージの価値のコンバートです。例えば、迷宮キングダムでは、キャンペーンを最後まで駆け抜けたキャラクターが出す最大火力が50点だったりしますが、ダブルクロスではレベル1の初期作成キャラクターが100点くらいダメージを出したりするので困ります。これを均一化するために、GMはその卓の中で最もダメージの価値の低いシステムを等倍とした上で、他のシステムのダメージに1.2倍、1.5倍、2倍、3倍、5倍といった形で上方修正をかけ、均一化をはかります。なお、具体的な全システムダメージレート表はまだないです。今のとこ、おそらく世界で表立ってるとこでは私しかGMが居ないし、出来ません。他の人がやるからには、かなり広いTRPG知識とバランス能力が必要になります。

 そんな闇鍋にも、驚くべきことにセオリーがあります。例えば、5人で遊ぶ場合、パーティのバランスとして

戦闘役:2~3人
⇒ダブルクロス・アリアンロッド・カオスフレアなど
調査役:1~2人
⇒CoC・シノビガミ・インセイン・パラノイアなど
すごいことできる人:0~1人
⇒迷宮キングダム・ビギニングアイドル・メガネリオンなど

 これが望ましいとされています。まともなゲームなんですよ!

 例えば、カオスフレアの聖戦士は、平気で500点などのダメージを出しますが、セッションの謎解きには不向きです。一方、CoCは脅威のダメージボーナスがマイナスのキャラクターなどもいますが、目星や図書館など、謎を解くのに有用なスキルを多く揃えます。それでもどうしようもなく、謎が解けない、戦闘で勝てない、となった時に、迷宮キングダムのキャラクターは「とんち」での状況打破をGMに提案できます。

 そして、厄介なのはこのシステムのエネミーです。プレイヤーキャラクターは1人1システムですが、エネミーはいくつものシステムをその身に宿しています。戦闘開始と同時に衝動判定(ダブルクロスのルール)と称して、失敗したキャラクターにバッドステータスやSANチェックを要求し、回避不可の攻撃ですなどと言われても、ステラナイツには回避などという概念はないので出目4以上のダイスの数を数えてくれと言い張り、やっと倒したと思ったらSRSの強烈なブレイクスルーである「加護」イドゥンをもってHP全快で蘇生し、しまいには「今のRPはこちらの方がオサレなので勝ち」などと同人でしかないブリーチTRPGのルールを持ち出すこともありえます。

 そんなエネミーのデータは基本的にマスクデータであり、プレイヤーに公開されません。そのため、攻撃役が全力で殴っても、不発になる可能性が高いのです。そこで、調査役のキャラクターが活躍します。行動値の概念のあるシステムでは、そのシステムの行動値の価値によってそのキャラクターの速さが判断され行動順がGMから示されますが、行動値の概念のないクトゥルフのキャラクターは、いつでも行動ができます。よって、クトゥルフのキャラクターがまず攻撃するのは闇鍋のセオリーと言えるでしょう。ダメージレート5倍の修正を受けたマーシャルアーツでも、エネミーには大したダメージが与えられないかもしれませんが、クトゥルフの判定は成功失敗の二択、つまり、クリティカルとファンブルしかないため、判定に成功すればエネミー側の回避は不可能でしょう。何、判定に失敗したら?そんな時は、判定の振り直しの特技のあるシステムから、振り直しをもらってください。

 そんな闇鍋を実際に遊んでみたログが【こちら】です。これも右クリックからダウンロードしてください。また、そんな闇鍋を経験してみたい!という人は是非【当TRPGコミュニティのディスコードサーバー】へお越しください!

 TRPGは無限の楽しみ。闇鍋は無限×無限です。レッツ・エンジョイ!

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