記事の書き方考えていたら良い人になるかもしれない

 最近MTGの記事がよく売れるんですが、売れるようになったあたりから心がけてることがあったりします。それは、間違いを理解し容認すること。「間違いをするやつは初心者」って否定したり、「こうするのが唯一の正解」って正解だけ教えるのは、教えるあり方としてあまり良いことじゃないなと最近強く心がけてます。

 まず前提として、人間は間違いだとわかって間違いを犯さない。するべき行動は、それぞれが自分の中での「正解だろう」という担保の元で行われます。第三者的視点で見た時にこの世界にはバカばっかりかもしれませんが、主観的に見た時にバカは一人も居ないわけです。つまり、指摘すべき点を改善させる場合、「それは間違いであり、これが正しい」でなく「それは正しいが、こうするともっと正しい」という論法を使った方がいいわけですね。唯一絶対の正しさなんて物は存在しなくて、相対的により正しいものが存在しているだけ。

 また、文面だとやりにくいのですが、「何故それが一般的に間違いとされるのか」を考えさせるのも重要。これは、教わった知識よりも、気付いた知識の方がより身につくから。特に、気付いた知識の方が、知識Aを知識A'にしやすいというのもある。ようは教え方に一手間を加えるだけで、教えられてる側がより知識を吸収する上、また、二度手間で教えることが少なくなるわけですね。まぁ、AからA'をひらめいてしまう人間は、教えることを商売とするなら良い顧客ではないんですけどそれはさておき。

 あと、最終的に最も正しい物を教えるとして、その過程を省くのもあまり良くない。これはMTGの記事で、デッキ紹介とかする場合は特に意識しないといけないことですね。よくプロが書いてる記事を読んで、それを参考にしてみているらしいけど、やってることが自分が過去に切り捨てた劣化版だ、みたいなことがよくあります。過程を省くと、創造力のある人間は過程で破棄した考え方に至ってしまうし、教わった考え方よりも自分で気付いた考え方の方に人は価値を見出してしまう。99回の失敗を経て1回の最善にたどり着いたなら、1回の最善でなく、99回の失敗にこそ真の価値があるってことですね。

・否定しないこと(相手の考えは常に正しい)
・考えさせること(答えを教えるのでなく途中式を書かせる)
・ありがちな落とし穴を示すこと(先んじて不正解を潰す)

 これは記事の書き方の話でなく、単純に良い上司・良い親たりうる方法論だったり、また、SNS全盛の今の世の中で汎用的に理解しておくべき話にも感じます。極端な例として、これらを一切無視した構文が

「あいつは人としてクズ」「今の政権は無能」
「教本を叩き込め」「ハッシュタグをつけるかRTしてください!」
「博多東京はLCCが最安」「自由主義と資本主義を信じろ」

 って感じになります。全部「うわぁ」感があると思います。

 あと、最後にして究極的な話なんですけど、結局、ですます口調にするだけで全く変わりますね。であるとか言い切り口調は権威付けにはなるんでしょうけど、権威を示すことは、相手が学習しやすくなることとイコールじゃない。

 ということで、普段MTGの記事とか書いてる身でしたが、わりとMTG畑以外の人、記事を書く人以外にも読んでほしいなって思う内容でした。RT大歓迎!

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