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MTGプロ文化の応援と、私の今後のNOTEの方針に関して

 かつて、私が暮らしていた家は、東京のプロプレイヤーのたまり場でした。八十岡翔太を始めとしたかつての家にたむろしていたプロが殿堂入りしたり、プロツアーで優勝したりするたびに、私は食事の時間に両親に報告し、両親も「あの時のみんながねぇ」と喜んでくれます。彼らは世界のトッププロであり、それこそ、マイケル・ジョーダンやタイガー・ウッズと並び称されてしかるべきプレイヤー達です。しかし、彼らの暮らしは、この2名ほど豊かなものではありません。所詮まだ、MTGという「商品」による「遊び」が「競技」になりきれていないのです。

 プロとして勝ち続ければ、それこそ年収3000万も夢ではありません。しかし、絶対的な強さがあったとしても、MTGがある程度の人間では干渉できない運の要素が絡むゲームである以上、勝ち続けることは難しいと言えます。すなわち、どこかしらで副業が必要となるのです。ですが、MTGもまた日々の練習が必要なゲームである以上、MTGとまったく関係のない職につきながらのプロ生活は難しいと言えるでしょう。MTGのプロが、MTGだけで暮らすことはできないのでしょうか?

 そんな世界に現れた、このNoteというサービスはプロに光明を見せました。記事を書き、それを売ることでいくらかの収入が確保できるのです。ですが、かつての知り合いでもあるプロのNoteの有料記事を読んだ結果、私はそれが現実的ではないと感じました。それは、彼らの書いた記事の質が低いためではありません。無料で読める記事の質が高すぎるのです。

 かつて、漫画家の手塚治虫は、漫画だけで十分な収入があり、また、金に無頓着な性格もあって、自身の手で日本の先陣を切ったアニメーションの制作を趣味と考え、まっとうな報酬をテレビ局に要求しませんでした。それが結果として、虫プロダクション以外でアニメを作ろうとなった時に、「虫プロはこの値段でやってるから」と他の制作会社に虫プロ同様の低賃金を要求しました。この歴史は今に至るまで変わっておらず、日本のアニメーターは、ほとんどが極めて薄給で、常識外の労働を行っている現実があります。MTGの記事は、まさにこのケースと同様です。かつてのデュエリストジャパンやゲームぎゃざ、マナバーンは本を買えば誰でも膨大な記事が読め、それはまだしも、MTGの日本公式や、日本最大のMTG店である晴れる屋には、極めて高品質な記事が無料で読むことができます。これは、記事を読む側にとってはありがたいことですが、プロには厳しい現実です。

 資本主義経済における「値上げ」はとても重く、特に「無料」から「有料」への値上げは顧客層からのブーイングの的になります。特に日本では、金を稼ぐことが汚いことだ、という概念も存在してしまうため。まともな値段で記事を売ることは不可能でしょう。せいぜい、そのプロへの応援代を含めての100円がぎりぎり許せる範囲です。惟一、海外のChannelが自身のサイトでの記事を有料化したそうですが、これは全体で足並みを揃えないことには意味の薄い行動であり、特に、日本ではあまり受け入れられる文化には感じません。

 そんな中で、MTGに極めて近いことで収入を確保しているケースが2例あります。トモハッピーこと齋藤友晴のYouTuberとしての道と、佐藤嶺によるサロンです。前者は、MTGを別角度から愛しコンテンツとする試みであり、後者は所謂ゴルフのティーチングプロに近いものと言えるでしょう。特に後者は人に物を教えるための情報整理はブレインストーミングとして優れた行動であり、彼のサロンは彼のプロ生活にとっても利になり、また、安定した収入確保にも繋がる、良い手段であるように思います。近い将来、MTGプレイヤーを評価する基準として、「デッキ構築の巧みさ」「ドラフトの巧みさ」「プレイスキルの高さ」以外に、「教える技術の高さ」が評価される時代が来るかもしれません。

 私がここ最近、本Noteで行っている「MTG完全初心者をミシックにする旅」は、まさにそのティーチングにあたります。私は誇れるレベルの成績を残していないため、名前の権威がありません。現在も一線を退きライトにMTGを楽しんでいるため、応援するメリットもありません。故に、私のようなもののティーチングに金を払おう、という人は稀のように思います。ですが、学生教育を少しかじった身であり、人に物を教える技術は、そこそこには自信があります。自画自賛になりますが、私のティーチングは少なくとも初心者~中級者層にとっては、読む価値があり、上級者へのステップアップに貢献するものであるように感じます。そんな私が、どうせ無価値だ、と記事を無料で売ってしまえば、私自身が手塚治虫のケースを繰り返し、ティーチングプロの文化の芽を積んでしまいます。

 以後も、私は本Noteで、現在進行中の初心者へのティーチングの他、初心者~中級者向けの記事を書いていこうと思います。ティーチングは勿論のこと、初心者~中級者をターゲットにしたMTGの基礎的な記事はあまり無いため、競合相手のいないブルーオーシャンとしての価値があると感じます。そのため、今後、私の記事は、私が十分価値がある、と判断したMTGに関する物に関しては、すべて一律100円で販売していこうと思います。

 資本主義経済において、みなさんには物に金を払うか決める権利があります。みなさんは、私の記事に1回毎100円のお金を払っても良いし、1度払ったとしても、以後払う価値がないと思えば払わなければいい。ですが少なくとも、私が記事に値段をつけることは、決して営利目的のものではなく、プロのティーチング文化の発展と、MTGのプロがバスケットボールやゴルフのプロ同様の豊かな暮らしができるための土壌作り、そして、私の記事から将来のプロが生まれ、MTG人口の拡大が、WoCによる賞金の増額に繋がると信じての行動だとご理解いただけると幸いです。

 もちろん賛否両論はある内容だと思いますが、最近ネット界隈ではスタンスのあわない人はさっくとシステムとしてブロックしてしまった方がお互いのためと気付いたため、無意味な否定的意見に関してはさくっと無視すると思います。ですが、建設的な否定意見に関しては、誠意を持って対応しますので、「プロ文化を応援したい」という私の意思に賛同し、「こうすればもっと良いのではないか」と考える物があれば、是非コメントで返信をください。

 また、もしも私の書く様々な記事に関して質問がしたかったり、よくわからないものを詳しく今の自分が使っているデッキに置き換えた例で説明して欲しい、という要望があれば、今回のこの記事で、私に対して500円以上のクリエイターサポートを送ってください。その場合、TwitterのDMか、Discordにて、個別で30分から1時間ほど、ティーチングを行います。今のところ2名にティーチングを行いましたが、ありがたいことに好評を頂いています。

 では、最後に知り合いのみならず、すべてのプロプレイヤーの未来と、MTG文化の発展を祈り、本文を締めさせていただきます。長文の完読、ありがとうございました。

★蛇足
 それはそれとして、私はMTGは最高のゲームとした上で、TRPG(テーブルトークRPG)もとても良いゲームであると感じ、最近毎日のようにオンラインセッションを行っています。本Noteでは、MTGに関する記事の傍ら、TRPGに関する話なんかも乗るかもしれませんが(もちろん無料で)ちょろっと目を透してもらい、TRPGの面白そうだな、と興味を持っていただけると、とてもうれしく思います。

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