救命処置と覚悟

今日の彩香さんの日記で救命処置を習ったことが書いてあったので、少し記事を書いてみようと思う。りんご娘の事ではないので、ここで戻ってもらってもオッケーです。

私は応急手当普及員という資格を持っており、職場内での救命処置講習の講師を務めています。
ちなみに仙台市の人口が約108万人。この人口に対して救急車は25台(免許更新時なので、もしかしたら少し増えているかも)なので、43200人に対して1台しかありません。圧倒的に台数が足りない気もしますね。そして通報から救急車到着までが約8分なので、傷病者(倒れている人)に胸骨圧迫(昔でいう心臓マッサージ)を施した場合、8分以上続けなきゃいけませんが、当然1人で行うのは困難です。そこで、たくさんの人に救命講習を受講してもらっていざという時には協力して救命活動しましょうという事です。(4人いれば2分交代が可能で、疲労はだいぶ軽減します)
胸骨圧迫は傷病者の心臓の代わりになるという覚悟が必要なので、一度胸骨圧迫を始めたら救急車が到着するまで圧迫を続ける覚悟が必要です。途中で投げ出すことは許されません。

昔は脈を測定したり人工呼吸していましたが、感染症や生理的に無理!という事から重要視されなくなりました。まずは胸骨圧迫で心臓を動かして全身に血液を循環させるのが最重要となっているようです。

AEDも止まった心臓を動かす装置ではなく、心臓が痙攣している場合に痙攣をとってくれる装置です。AEDを付けたから心臓が動くのは間違いです。つまり、AEDを装着しても心臓が動いている/止まっている場合は作動せず、痙攣(細動)が起こっている際にAEDが作動します。
以前医学部の方と情報交換したのですが、胸骨圧迫を正常な人に施すと、飛び上がりそうなくらいな痛みらしく、意識がある?ない?と迷ったら一度胸骨圧迫をすれば良いと言っていました。確かに約5センチほど押し込むので意識があれば痛みで反応がありそうです。

できる事ならこのスキルを使用する機会が来なければ良いのですが、どこに危険があるかわかりませんので、職場などで救命講習/救命処置講習/応急手当講習などがあったら積極的に受講してみてください。そして半年もすれば忘れてしまうので、定期的な受講をお勧めします。

胸骨圧迫のリズムは1分間に100〜120回くらいと言われています。講習会では「あんたがたどこさ」「ダイヤモンド」「アンパンマンマーチ」などを紹介するのですが、りんご娘の曲で120テンポくらいだとなんでしょうね?


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