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スペイン風邪では現在の水準が底だった 【投資のヒント】

■1世紀前と似た状況
コロナショックで影響を受けている相場の状況が1世紀前のスペイン風邪流行の時と似ている、との見方がある。その時の経験に基づけば、現在大荒れの市場も底値が近づいている、と言えるようだ。

スペイン風邪は、記録にある限り人類が経験した最初のパンデミックで、感染者数は全世界で5億人以上(当時の世界人口の3割程度)、死者は5000万人~1億人と言われている。スペイン風邪がパンデミックとなったのは1918~19年とされるが、アメリカ疾病予防管理センター (CDC)は後年、「米国内では1915年に既にスペイン風邪の症状(インフルエンザ・肺炎)による死亡率が増加していた」と発表している。

そこで、引っ張り出してきたのが当時のダウ平均のチャートだ。スペイン風邪が大流行となる直前の1917年に、ダウ平均は6月の高値から12月までに33%下落している。ところが、実際に世界的大流行期に入ると、株価は上昇に転じ、スペイン風邪による死者数が最多となった1918年10月までに株価は底から35%も戻していた。さらに、2019年11月までの上昇率は81%にも上っている。

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(出典)https://www.marketwatch.com

翻って、現在のチャートを並べてみよう。2020年2月の高値からの下落率は32%と、奇しくもスペイン風邪の時と同水準だ。「であるならば、この辺からリカバリー局面が始まるのでは?」と藁をも掴みたい投資家、少しでも明るい材料が欲しい投資家は考えたくなる。もちろん、当時とは社会情勢や金融市場を取り巻く環境など、さまざまな条件が異なっているし、1917年と言えば第一次世界大戦の末期という特殊な状況だったことも忘れてはいけない。しかし、当時と異なり、新薬の開発など現代はパンデミックに打ち克つための知恵が多くある。楽観的過ぎるかもしれないが、こうした過去の再現もあり得べし、と思っておきたいものだ。

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(出典)https://www.marketwatch.com

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