今日の1枚 盃の5(five of cups)
「なくなった」のか「まだある」のか
今日の1枚は転がっている盃が3つ。立っている盃が2つ。このカードは非常に不思議で、倒れた3つを眺めて悲しんでいる風にみえる。天気も悪く、どんよりしていて、何かを後悔しているように見える。
一方で奥に川が流れており、実は盃の2つはまだ立っている(水は入っていなさそうだけど)。たぶん、水を作ってここまで持ってきたけど、倒れたかなにかか。風か?それともここにおいていて戻ってきたら倒れていたとか?
そう言っても、5つもの盃は一人ではもってはいけない。
どうやってここまで来たんだろう。台車とか?いや、台車でも、こんな不安定な盃はもってこれない。きっと手で丁寧に運んだんだろう。
でもさ。
もともと、この盃が不安定なのがいけないんだよ。水だってずっとあるわけだし、もう一度やればいい・・・むしろ、工夫してやればいいよね。
脚本人生
エリック・バーンという交流分析を開発した心理学者が「脚本人生」という言葉を作っている。つまり、自分の人生を描いてそれを生きているみたいな意味。このカードも、象徴としては「落ち込んでいる」とか「後悔」みたいな意味が多いけれど、「そう思いたい自分」がいれば、それを選択すればいい。もし変えたいなら、よく見ること。そのパターンに気づくこと。
気づきの中にある本質的なもの
意外と、「自分はこうでありたい」と願うあまり、変化を嫌う。自然界はいつも変化を嫌う。変化があると、違うことが起こる。でも、その微細な変化の中に、実は本質的なものがあるのではないか。常に世界は揺らいでいる。自分の中の「なにか」も揺らいでいる。それを掬い、眺めてみること。そこから、次の一歩は見える。
川は流れていて、水はある。盃だって壊れたわけではない。
自分の中にある絶望とか苦しみは、どういうところから湧き出ているのか。自分の内側に問いかけ、それを見つけて、次につなげていく。その一歩に踏み出す直前が、このカードにあるようにみえる。
でも、もしかしたら、これも脚本なのかもしれない。
そうした意識も忘れないように。
エリック・バーンのこと
Kindleアンリミテッドの方はこの本、読み放題に入っているのでおすすめー。
エリック・バーンの本はこれだけど、上記の本がよかったらかな。ちょっと時代を感じるかも。
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