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今日の1枚 隠者

今日は「隠者」。Hermitの訳語ですが、そもそも「修道会が成立する前に、社会から離れて生活を神にささげたキリスト教信者」(英辞郎)の意味。世捨て人、みたいな意味もあるけど。

各種の版を眺めると、共通点は道を照らすカンテラをもっていること。スミス版はフードのようなものがあることから、愚者(0番)が旅を終え年を重ねた姿とも言われている。

つまり、次の人へ道を譲る、案内するみたいな老賢者のような、先導役であったりするかもしれない。ヴィスコンティ版、マルセイユ版は経験を背景にした強さを感じるけれど、ウエイトスミス版はそんな強さは感じない。下を向いて、自分の内側に問いかけているような感じ。背景は消え、雲のような上に乗り、カンテラは辺りではなく、心の中を照らすかのような雰囲気もある。

解釈はいろいろできるけれど、経験は積んでいるから、それに自信を持つこと。一方で自分の内側に問いかけ、その方向が導かれるものかどうかを、経験だけでなく心の動きから感じられるか。「大きな存在」を感じながら掴み取っていくのが良いのではないか。

そんなメッセージがあるような気がします。

このカードの歴史については後日追記してみます。

ヴィスコンティ版
ライダーウェイト版
マルセイユ版

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