映画ロボコン(令和)

迫り来る中華料理に戦いに挑む男になるサクセスストーリー

『がんばれいわ!!ロボコン ウララ〜!恋する汁なしタンタンメン!!の巻』を先週見ました。
ドコドコドコドコとドラムが鳴り響き表示される東映のロゴに圧倒されます。

令和になり新しく作られたロボコン本体はすごく綺麗でトヨタの新車みたいな艶がある。そんなロボコンは飲食店を営むヒロシ一家に天から降ってきて居候することになるのだが、小学生のヒロシはいつも大きめサイズの服を与えられている為、ここぞとばかりにズボンをずり上げるシーンが多くかわいらしくてよい。この映画1、2位を争う萌えポイントである。とても庶民的な家庭のオーラを醸し出しており、親しみが持てるところだ。ところが話の展開としてはかなり突拍子もないところがあり、鉛筆を転がして先の展開を決めているようなきらいがある。スピードも早く途中でトイレに行ったら状況を理解することは難しいだろう。私はとても好きなのだが、かなり人を選ぶと思う。
いや実際のところ、私はトイレに行っていないが理解できなかった。ロボコンによって誕生した汁なし担々麺が翌朝喋り出して他の中華料理と揉めるシーンでロボコンの目が(??)となるのだが、見ている私も同じ気持ちになった。その後もずっと分からなかったのだが、そこが刺激的でボケ防止になるかもしれない。
永遠と無軌道なギャグを見せられているのだが、不思議と不快感は無くむしろ快感だった。ロボコンはかなりのポンコツだが他人に迷惑をかけておらず、いつも殴られてバラバラになるのはロボコン自身なのだ。ロボコンCVの斎藤千和氏がかなり適任で今後10年くらいはこのCV以外のロボコンを見たら違和感を覚える程だろう。
なんとロボコンはバラバラになっても次のカットでは完全復活しており、これはギャグ時空の作品なのだと強制的に認識させられる為、汁なし担々麺の作り方が異常でも些末事として処理される。
軸の話としては汁なし担々麺が赤ちゃんから一人前の男として成長するストーリーだが、ほっといてもたまごっち並みに勝手に成長するので人畜無害だ。対してのロボコンは恥ずかしげもなく0点を取得しており安心できる。

鑑賞した後、多分に漏れず中華料理店で汁なし担々麺を食べたが映画の方がおいしそうだったのと、刀を装備していなかったのでとても喪失感があった。この令和ロボコンという映画が私の心に与えた傷である。

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