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#11【触るグリフ体験記】最終回・生活の中の変化

夫はただひたすら触るグリフを毎日していました。普段は明るくて軽薄でふざけた夫、自分の事を話す事はあまりありません。なので触るグリフの効果を自分で話す事もありません。ただ話さないだけじゃ無くて自分ではあまり実感してないというのもあると思います。

#9で6週間後までに私が気づいた変化を書きました。今日は6週間後以降に気づいた変化を書こうと思います。触るグリフを卒業して1年経った今(2022年8月)も変化は続いていますが

43歳夫の 触るグリフ体験記
〜私の夫は字が読めない〜

はこれで最終回です。


今日は2022年8月。
1年半前の2021年の初め、夫が43歳の時に触読学習シート「触るグリフ」を始めて、読み書きがかなりできるようになりました。このnoteはその簡単な記録です。


48日後 外出先で自分の名前と住所を書いた

子供の自転車の修理を出す為に夫と近くの自転車屋さんに行きました。割と混み合ってる感じで店員さんに「ちょっとお待ちくださ〜い」と言われたので私は店内をブラブラしていました。

カゴカバーとか自転車用の雨合羽なんかがあるコーナを見ていたら店員さんに「修理でお待ちの方ーー!」と呼ばれたみたい。パッと振り返るとカウンターで夫が

なんか書いてました!

めっちゃ驚いて写真を撮りました。周りの人は「あの人なんで写真撮ってるんやろう?」と不思議に思ったと思います。自転車を預けるために住所と名前を書いていたそうです。

#5かな?に書きましたが、今までこういう文字を書く場面で私がいないと夫は少しイライラしたり、不機嫌になっていました。もちろん自分の名前と住所は書けるんですけどそれでも「字を書くのは嫌」なんです。それが私が夫に触るグリフをさせてみようと思った理由なんです。

私の希望としては字が書けるようにならなくてもこのような場面で不機嫌にならずにいてさえくれれば良くて「おーい!なんか書いてって言ってるよ!」とイライラせずに私を呼んでくれれば良かったんですが、夫は自分で字を書いていました。気のせいかも知れませんが夫の背中からドヤ感を感じました。

字を書けなくても(書きたくなくても)不機嫌にならないで欲しいなと思っていたし、そんな夫が可哀想にも思っていたけど、「書けないけど不機嫌にならない」は難しい事なんだなとこの時気付きました。できなくても自信を持つってハードル高いですよね。この日以降夫にそんな高望みをするのはやめました。

LINEでメッセージ

少し前に

昼ごはんいらない

とLINEでメッセージが来ましたが、たまたまかな?という気持ちもあったので様子を伺っていました。やっぱりそれ以来ちょこちょこメッセージが来るようになりました。

混乱期

これも#9に書きましたが

支柱を「しちゅう」と読む事に気付きました。それまでは、その物の事は「しちゅう」と呼んでいるけど、漢字で書いてある【支柱】は「しばしら」と読むと思っていたんです。

それからまたしばらくして、自宅で2人でつる薔薇の手入れをしてい時、

「そこの しちゅうばしら 取って!」

としきりに「しちゅうばしら、しちゅうばしら」と呼んでいました。訂正はしませんでした。混乱期ですね。

取扱説明書を読んでいた

娘がスマートウォッチの使い方が分からず夫に聞いたら、なんと!取扱説明書を読んでいた。これ、驚きました。説明書とかお役所の文書とかの類が1番嫌いなんですよ。

取扱説明書は読まなくてもなんとかなる事が多くて読む必要ないって感じだったんですが、やっぱり読むようになりました。

これは車のワックスの説明書を読んでいた時。記念に写真を撮りました。きねんです、記念!

看板を読んでいた

夫はランニングをするんですが、自転車で海岸沿いのランニング道について行った時、夫が

「ここ、何色になるんやろな?」

と言うのですが意味が分からず「なんの事?」と聞いたら

「見てなかった?入る時に『カラー舗装工事します』って書いてあったやろ?」

と言いました。

か、か、看板読んでるー!

帰りに確認したら確かに看板ありました。記念に看板の写真を撮りました。

夫は

「ちゃんと字、読まなあかんよ」

とニヤニヤして言ってた。これが私の好きな夫のふざけたところ。

カラオケができた

テレビでFNS歌謡祭かなんか昔の歌特集やってた時、夫が歌詞テロップを見ながら歌を歌い出しました。記念に動画を撮りました。記念!記念!

⚠️生活音かうるさいから注意です

本当に突然だったので驚きました。#2かな?に書いたけどカラオケって好きじゃなくて、歌詞を見ながら歌えないから歌うたう時はいつもテキトー歌詞だったんです。なんか上機嫌でした。

スピッツ歌えるんや〜と驚きましたね。それと、音痴がなおってる!Twitterで先生に聞いてみたら

歌詞を読む負担が減って音程に神経が向くようになったからでは?

のような返事をいただきました。これは本当すごくて、めちゃくちゃ音痴だったんです。私もめちゃくちゃ音痴だったのに置いてかれた気分です。。

人に「俺、字が読めないから」と言う。

前は身近な人以外に「字が読めない事」は言っていませんでした。例えばお役所の書類関係とか「字が読めないから妻にお願いします」とか言えば?と言っても言いたくないみたい。漢字を知らない事も身近な人以外には知られたくなさそうだったし。

それが、資格試験取得の学校に通っていたんですが、マークシートの記入ミスが続いたり、書き文字が遅かったりするので説明する為に、担当の先生に

「脳のアレで読み書き障害で字を書くのが苦手なんですよ」

と伝えたそうです。夫が言うには言ったほうが話が早い場合は読み書き障害である事を伝えるようにしているとの事。これも私の希望の1つでした。

「そこそこ読み書きできるようになってから言うんかーい!」

と思ったけど、触るグリフで自信がついたと言う事ですね。良かった良かった。

私の希望は叶いました

#5で書いたと思うけど、私が夫に触るグリフをさせたいと思ったのは「読み書きできるように」なって欲しいと思ったからではないんです。できなくてもさほど困った事ってなかったし。

でも、字を書く場面での不機嫌な様子やイライラした感じが嫌だったし、そんな夫が可哀想でもあり。。。それが解消されました。

もう1つ、字が書けない事や漢字を知らない事に敏感になりすぎて大変そうに見えた事。「読み書き障害なんです」って言ったら?と言った事がありますが「わざわざそんな事言う必要ないやろ」と少し怒っていました。弱みを見せたくないと言う姿勢は男らしくもあり嫌いではありませんが、時と場合によっては、、、と思っていました。

資格取得学校は夫にとってはかなり「ちゃんとした」場所なので、そこで言えたのは良かったと思います。学科試験1週間前の模試で、受験番号のマークシートの印間違いをしたらしく

(そうそう夫は文字だけではなく、電波番号なんかの数字だけも超苦手、順番がひっくり返ったりします。マークシートも苦手。印間違いちょこちょこ起こします。文字以外にもこの手の困りごとあります)

担当の先生が涙目で解答用紙持ってきて

「かわのさぁ〜〜ん!これ〜!受験番号間違えたら失格ですよ〜!どうしましょう?とにかく気をつけてくださいよ〜」

と、かなり狼狽えてたらしく、夫の話を聞いて2人で笑いました。ディスレクシアである事を伝えなかったら資格学校の先生も、こんな風に「どうしましょう?」と言ってくれる事もなかったと思うので本当に良かったと思います。

私の2つの希望は叶いました。
夫は人生が変わったと思います。
触るグリフさまさまです。

触るグリフと宮崎先生に感謝しています。ありがとうっ!そして他の人も同じような体験をしてくれると良いのになと思います。

終わりに

まだまだ日常生活の中の変化は続きますが、これで夫の触るグリフ体験記は終わりにします。今までお読みくださりありがとうございました。

触るグリフを検討されている方の参考になれば良いなと思います。分からない事は宮崎先生に直接聞いてくださいね。丁寧に教えてくれると思います。

おまけ

二級建築士の資格試験の学校に週2日通って、「毎日毎晩触るグリフ」から「毎日毎晩資格取得の勉強」に変わりました。7ヶ月間!自己採点で合格でしたが、昨日(8/23)無事学科試験の正式な合格通知をいただきました。

「触るグリフの触読シートで読んだ文字数はそれまでの43年の人生で読んだ全ての文字数を超えた」

と前に書きましたが、触るグリフ後、資格取得の勉強で読んだ文字数はそれまでの人生で読んだ文字数の百倍?いや千倍ぐらいです!

(合格したので全部捨てました)


高3娘は英語版触るグリフをしました。その体験記も簡単に書こうと思っています。

お読みくださりありがとうございました。

かわの

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