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あの日言えなかった現在進行形

大学生時代、同じバイト先の同級生が好きだった。映画好きで、ミニシアター系から有名どころまで見てる人。私も会話の糸口のために、映画をたくさん見た。

東北出身の彼は遠恋中。地元に彼女がいたらしい。“らしい”と言うのは、周りの人たちが、いるって言ってたからだ。私はハッキリと聞いてないのだ。

それでも、仲良かったほうだと思う。ふたりで遊ぶことはなかったけど、みんなで映画を見に行ったり、スキー行ったり、バイト後にご飯食べに行ったり。
仲良いけど…時々頭ポンポンされてたけど…彼女がいるんだよな…。時に辛くなったりしながらも、私のこと好きか嫌いか友達か友達じゃないかを確認することなく、ただ楽しい時間を過ごしてた。

しかし、時間は過ぎてくもの。卒業になり、彼は地元に帰ることに。
あーあー…どうしますか??どうしましょう。

普段なんにもしないのに、いざとなったら動く人、そぅそれが私。きちんと伝えようと電話をしたのだ。

夜中か昼か。何を話したか。そんなことは覚えていない。だけど、一言だけ言った言葉を覚えている。

「好きだったんよ」

…ん??



待て待て!
だった…ってなに??
なんで過去形やねん!!!

そう、私は戦いから逃げたのだ。
好きだと告げて振られることから逃げたのだ。

悲しいかな返事も覚えている。
「ありがとう」

そりゃそうだわな。
ありがとうしか言えないよね(笑)

あの日、きちんと「好きです」と言ったらどうなっていただろう。
振られるかもしれないけど、泣くかもしれないけど。時間かかるかもだけど。好きがきちんと浄化されたんじゃないか。勇気を出して自分に嘘をつかずに言えたら。嫌なことやツラい事から逃げずに立ち向かえる強さを持てただろうか。

でももしかしたら、この日があったから、きちんと告げる大切さに気付いたのかもしれない。だから旦那さんには、きちんと告げることができたのかもしれないな、なんてね。

↓きちんと告げた日

甘酸っぱい記憶をひっくり返して、あの日言えなかった言葉を今更ながら浄化させる夜です。

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「みんなで書く部」のお題で書きました。
#あの日言えなかった言葉

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