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読書メモ(5)


光のとこにいてね
一穂ミチ
2024.3.18



――ほんの数回会った彼女が、人生の全部だった――

古びた団地の片隅で、彼女と出会った。彼女と私は、なにもかもが違った。着るものも食べるものも住む世界も。でもなぜか、彼女が笑うと、私も笑顔になれた。彼女が泣くと、私も悲しくなった。
彼女に惹かれたその日から、残酷な現実も平気だと思えた。ずっと一緒にはいられないと分かっていながら、一瞬の幸せが、永遠となることを祈った。
どうして彼女しかダメなんだろう。どうして彼女とじゃないと、私は幸せじゃないんだろう……。


――二人が出会った、たった一つの運命
切なくも美しい、四半世紀の物語――

文藝春秋

以下、ネタバレを含みます



8歳と15歳と29歳の果遠ちゃんがいう
「光のとこにいてね」

毎回違う意味で、結珠ちゃんに呼びかける

光のとこにいてね、は
果遠ちゃんの精いっぱいの優しさ
結珠ちゃんを想う気持ち、憧れ、祈り
それがいっぱい詰まった物語だった

光のところ、ではなく光のとこ
そんな言葉づかいもぴったりで

全体的に水々しすぎて、でもそれも好きな感じのお話でした

果遠ちゃんが眩しかった

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