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ヤフオクに写楽が出た。

写楽といえば浮世絵の最高峰である。
値段がという意味だが。
バブルの時は、大首、キラ摺で1000万円以下はないと言われ、写楽の所蔵元は全て記録されているとも言われていました。
ヤフオクで浮世絵が落札される場合100万円以上はまれです。
200万円以上はまだ見たことがありません。
何しろ、値段の高い浮世絵ならば、ちゃんとしたオークションに出品すれば良いのだからヤフオクに出品する理由がありません。
何故、写楽をヤフオクに出品するのか?

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画像を見れば端が破れています。
完品でないからヤフオクに出品したのか?
そんなことはありません。
これくらいならば修繕すればよいし、大きな損傷とも言えません。
それに、この写楽にはもの凄い秘密があるのです。
それは宮沢賢治の浮世絵コレクションだというのです。

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この読売新聞を見れば誰もが本物の写楽だと思ってしまいます。
でも、これだけ騒がれたのなら、なんでヤフオクなの?
大手のオークション会社に新聞を持っていけば出品できる気がするのですが?
見出しは下のように出ています。

【東洲斎写楽「四代岩井半四郎」宮沢賢治旧蔵 特別展『宮沢賢治の原風景パート1・サハリン編』出展作 紙本木版雲母摺】(役者絵 浮世絵)】

この出品の説明は下です。

【サイズ】
本紙:36.6 × 24.7cm
※特別展『宮沢賢治の原風景パート1・サハリン編』(於 宮沢賢治記念館)出展作。
※宮沢賢治が樺太に向かった際に友人に贈ったもので、その友人の子孫宅から発見されたもの。
※コレクター依頼品になります。
※箱がついています。
※写真をよくご確認の上、ご入札ください。

      落札結果は80万円で下の写楽が落札されました。

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入札履歴を見てみます。

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小さいのでもう少し大きく

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ここで停止中が入っています。
この停止中が2つ以上入ると詐欺の疑いがとても大きくなりますが、5700円なので、詐欺とも言えません。
次に新規が2つ入っています。20万円と40万円です。
これはサクラでしょう。
いわゆるIDを新たに作ったと考えられます。
絶対、40万円以上にはなって欲しいということで入れたのだと思います。
それなら初めから40万円以上で出品すれば良いのにと思ってしまいますが、1000円からにしないと前の方のページに載せてもらえないし、もし復刻版だった場合、金返せと言われかねないからです。
1000円からなら、落札した人の責任だと言えるのです。
何故なら、この見出しにも説明にも本物と記載されていないからです。
写真で判断してくれ、となっています。
つまり出品者には真贋は分からないから1000円からにしたんだよ、となっているのです。
でも、新聞を載せるということは、普通の人ならば本物と100%思ってしまうでしょう。
でも記載には一切、本物と入れていないのです。
入札履歴をもう一度見ましょう。
評価1000番台、1万番台は誰も入れていません。
評価の大きい数字はプロです。
つまり、プロは参加していないということです。
新規と1万円以下を除けば参加者は9人です。
かなり少ないですね。
殆どの浮世絵愛好家は参加していないようです。
写真だけを見るとかなり本物っぽいです。
しかし、復刻版でも本物っぽいのはあるんです。
だから写真だけでは分からない浮世絵もかなりあり、実際手にして紙を見なければはっきりわからない浮世絵もあるのです。
値段が高い浮世絵で私も見たことがあります。
完全に本物だと思ったけど紙が違っていました。
今回の出品写楽は裏からの写真も載せています。

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少し紙が厚いように見えます。
薄い裏打ち(紙を貼る)がなされているのならこれでもいいのですが、裏打ちがされていないのら復刻版ぽいです。
実はこの文章書いている時間はまさにヤフオク落札が決まろうとしているところから書き出し、1枚は書いているときに80万円で落札されたのですがもう1枚は40分経過してもまだ決着がついていません。
150万円を超えました。
「四代岩井半四郎」を落札した人と、それを715,000円まで争っていた人が、またもや争っています。

私のこの写楽の出品作の見解は、宮沢賢治の遺品の浮世絵というのは間違っていないかもしれませんが、それが本物だと新聞でも、この出品の説明でも一切出ていません。
新聞の方は当然です。
新聞社の文化部の記者が真贋なんかわかるわけがありません。
それならば専門家に聞けば良いのに、と思いがちですが、意外と新聞記者はそこまでしません。
身内の美術品で唐三彩の仏像発見ということで新聞に大きく出たことがあるのですが、その唐三彩の仏像を、世界最大手のオークション会社、ササビーズの鑑定員は、本物とはしませんでした。
つまり、この出品者も浮世絵専門店に行き、鑑定は受けたのではないかと私は推理するのです。
そこで、これは復刻版だと言われヤフオクに出品したのではないかと考えるのです。
浮世絵を専門に扱っている店は日本全国で10店舗以上はあります。
浮世絵専門店の人ならば、写楽を見ればすぐに真贋は分かります。
浮世絵は専門家が見れば直ぐに真贋は分かります。
それが他の美術品と大きく違うところです。
ここまで書いたところで決着がつきました。

         落札金額は1,656,000円でした。

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入札履歴を見てみます。

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「四代岩井半四郎」を落札した人は1,655,000円まで頑張ったみたいだけれど、負けました。
雪辱? したのは「四代岩井半四郎」を争った人です。
またもや停止中、評価0が入っていて30万円と50万円まで引き上げています。
これは前に書いた通りサクラです。
入札者は新規と1万円以下を除き7人です。
「四代岩井半四郎」より二人少ないし、もちろんプロは入っていません。
それに参加した人も「四代岩井半四郎」にも参加しています。
私の予想では、これ鑑定団に出るのではないかと思います。
というよりどちらか一人出してほしいなあ。
そこで、どのような結果が出るのか?
もし本物なら、私はもの凄く悔しがります。
絶対に、写楽のキラ摺、大首がこの値段で買えないからです。
もし鑑定団に出して本物とされたのならば落札者様、おめでとうございます。とても勇気のある決断でしたね、と賛美したいです。
私はこの情報だけで参加する度胸はありません。

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