美術の専門家と称する人が絵画の紹介をするときのプレバト俳句の判定を参考にすると

長い題名になってしまいましたが、簡潔な表題が思い浮かばなかったのでご容赦ください。
プレバトは木曜日PM7時の人気番組で、その中でも俳句はプレバトを支えていると言っても過言ではないコーナーです。
この俳句を採点する先生が夏井先生で、辛口の評価をすると評判ですが、適切で俳句を素人でも分かりやすく教えてくれる立派な先生です。
私は、俳句は全く分からなかったのですが、夏井先生の説明で俳句というものが少しですが分かりました。
夏井先生の採点は点数もあるのですが、才能無し、凡人、才能ありの三つです。
そしてその分け方はとてもシンプルで、何を書いているのか理解できない俳句は才能無し、書いている意味は分かりますが、誰もが考え付きそうな俳句は凡人、自分の言葉で俳句を作っている人は才能ありとしています。
カッコつける人は難しいことを書こうとしたり、どうだ決まっているだろう、見たいに感じる俳句、中身のない俳句を作ったりしますが、そのような俳句が出ると意味が分かれば凡人どまり、意味が分からないと才能無しになります。
そして、この採点方法は俳句だけではなく、詩や小説にも応用できるし、テレビのコメンテーターの発言でも応用できます。
テレビのコメンテーターがカッコつけて言う人がかなりいて、でも中身がないので聞くまでもないよ、という発言が出たときは「凡人」と私は思わずつぶやいてしまいます。
そして、これは絵の紹介でも同じことがいえるのです。
絵の紹介というと、専門家、タレント、専門家のタレントが多いです。
専門家の紹介は、きっと正しいことを言っているのだろうけど面白くないことが多々ありますし、守りに入っている紹介をするので余計面白くない場合が多いです。
タレントは逆に面白いのですが中身がなく、特に女優の場合は分かったふりのうなずきが多いし、自分の勝手な感情を出そうとする人が多く、画家の心情を分かったふりをする女優が多いです。
そうなると専門家のタレントが一番良いとなりますが、これも曲者で、一般素人よりはいろいろ知っていますが、だからといって深くまでは知らないのに深くまで知ったかぶりをするのです。
絵の世界といってもたくさんの分野がありますから、それら全てを知る人なんて日本には何人もいないだろうし、そういう研究者はタレント性はないので目立つような形で表には出ません。
絵の専門家のタレントの一部の人は、専門的に勉強をしていない分野でも専門的に勉強をしているふりをして説明をします(もちろん専門ではなくても番組前に勉強をして分かりやすい説明をする専門家タレントもいます。そのような人は好感が持てます)。
私はゴッホと印象派に関してはそれなりに勉強しましたから、その中の画家のことに関しては、あっている、おかしい、の判別は尽きます。
だから私の専門の画家の説明が出たときははっきりその専門家のタレントの説明が分かります。
そして、中には凡人の説明をする人もいます。
例えば風景画を前にして「さわやかな空気感が伝わってくる」「吸い込まれるような感じ」などの説明は、意味は分かりますが素人でもいえる説明なので凡人説明でしょう。
また多くの人が言うのですが「絵を見るときは何の情報も得ずに素直に見る」とか「本物をまず見る」とかがあります。
印象派やファン・ゴッホが出る前ならその理屈も通用しましたが、印象派以後はそれは通用しません。
印象派以後は背景が分からなければ絵の良さが分からない絵がたくさんあるのです。
また、美術館に贋作も多々あるので「本物を見ろ」は勉強しなければ分からないのです。
年末などの特番のテレビで浜ちゃん司会の格付けの番組がありますが、ガクト氏以外のほとんどの出演者が本物と偽物の区別がつきません。
本物と偽物の区別がつかない人が高い料金の料理を食べたり、高いチケット代の演奏を聴く意味が果たしてあるのでしょうか?
絵も同じです。
本物偽物の区別がつかない人がいくら美術館通いをしても意味がないのです。
真贋を見分けるのに才能もありますが、一番は意識です。
良い演奏を聴くときに意識して聴いていれば段々良い演奏というのが分かるのです。
これは料理も同じです。
ところが意識をしていない人は何回経験しても何もわからないのです。
ガクト氏が全て正解を出せるのは食べるときも聴くときも意識をしているのでしょう。
絵も同じなのです。
ちゃんと意識していれば、凡人説明は凡人とすぐに分かります。
誰でもいえることをカッコつけて言ってるだけですから。
『ほぼ日刊イトイ新聞』に『ゴッホの贋作を見て覚えた感動は本物か』というとても魅力的な表題がありました。
ゴッホ研究第一人者の圀府寺司氏がそれを体験したようです。
私はこの表題に『才能あり』をつけます。
これこそ自分の言葉の表現です。
『ほぼ日刊イトイ新聞』の中身は糸井重里氏と圀府寺氏の対談なのですが、面白いので興味のある人は一読を。
ファン・ゴッホや印象派に興味のある人は一度読んで下さい。
簡略版も英語版もあります。

『ゴッホの愛したクレポン』


『幕末の浮世絵が印象派を創った』

https://note.com/kawakamihiroshi/n/n22b003a280b9


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